進化に「意思」はいらない
このシミュレーターのプログラムは、どの遺伝子が「良い」かをいっさい知りません。実装されているのは、ダーウィンが見抜いた自然選択の3つの要素だけです。
自然選択の3要素(このシミュの全ルール)
①変異:子の遺伝子(速さ・大きさ・感知力)は、親からほんの少しランダムにズレる
②遺伝:そのズレは子に受け継がれる
③選択:エサを見つけられない個体はエネルギーが尽きて死に、子を残せない
①変異:子の遺伝子(速さ・大きさ・感知力)は、親からほんの少しランダムにズレる
②遺伝:そのズレは子に受け継がれる
③選択:エサを見つけられない個体はエネルギーが尽きて死に、子を残せない
たったこれだけで、環境に合った特徴が世代を追うごとに「勝手に」増えていきます。上の朱色のグラフが上がっていくなら、それは誰も設計していない進化が、いまあなたのブラウザの中で起きているということです。
観察実験のすすめ
- 🧊 氷河期ボタン……エサが激減すると、遠くのエサに先にたどり着ける「速い個体」だけが生き残りやすくなり、平均の速さがぐっと上がります。ただし速さはエネルギーを激しく消費する諸刃の剣。エサを戻すと、今度はゆっくりな個体が盛り返すこともあります。
- 大きさはどうなる?……この世界には天敵がいないため、大きさはコスト(燃費の悪さ)でしかありません。放っておくと、群れは少しずつ小型化していきます。「進化=強く大きくなること」ではない、の好例です。
- 突然変異を最大に……変異が大きいと環境変化には素早く適応しますが、ハズレの子も増えます。変異が小さいと安定する代わりに、環境が変わったとき絶滅しやすくなります。
本物の進化も、これと同じ
抗生物質が効かない耐性菌、農薬に強い害虫、都市の騒音で鳴き声が高くなった鳥——現実の進化も「変異・遺伝・選択」の積み重ねで、人間の観察できる速さで起きています。進化は大昔の出来事ではなく、いまも続く現在進行形の現象です。
よくある質問
- これは本当の進化と同じ?
- 原理は同じです。変異・遺伝・選択をそのまま実装した、生物学の教育用モデルと同じ考え方です。実際の生物はもっと多くの遺伝子と環境要因を持ちます。
- 絶滅してしまったら?
- それも自然選択の結果のひとつです。「↺ 最初から」で新しい群れをまき直せます。エサを増やしてから再挑戦を。
- 色の違いは何?
- 体の色は「速さ」の遺伝子を表します。青緑=ゆっくり、赤っぽい=速い。群れ全体の色が変わっていけば、それが進化です。
- データは送信されますか?
- いいえ。シミュレーションはすべてブラウザ内で完結します。
参考
- ダーウィン『種の起源』(1859、自然選択説)
- 個体ベースモデル(agent-based model)による自然選択の教育シミュレーション