理科の授業向け

火山の形と火成岩シミュレーター(マグマのねばりけ・冷え方)

マグマのねばりけのスライダーを動かすと、火山の形・噴火のようす・溶岩や岩石の色が変わります。「冷やして結晶をつくる」ボタンを押すと、地表付近で急に冷えた火山岩(斑状組織)と、地下深くでゆっくり冷えた深成岩(等粒状組織)のでき方をアニメで比べられます。

🔬 中1 火山と地震(火山活動と火成岩)
火山の形
—
噴火のようす
—
岩石の名前
—
組織(つくり)
—
岩石の色
—
有色鉱物の割合
—

上:マグマのねばりけによる火山の形と噴火のようす(大きさは実際の比率ではありません)。右上のゲージや下のグラフをタップ・ドラッグしても、ねばりけを変えられます。下左:同じマグマが地表付近で急に冷えた岩石(ア 火山岩)と、地下深くでゆっくり冷えた岩石(イ 深成岩)をルーペで見たようすです。円や分類表をタップすると、統計欄の岩石が切りかわります。右下:ふくまれる鉱物の割合の目安。

このシミュレーションでわかること

マグマのねばりけが弱いと、傾斜がゆるやかな火山(たて状火山)ができ、噴火はおだやかで、溶岩や岩石は黒っぽくなります。ねばりけが強いと、ドーム状の火山(溶岩ドーム)ができ、噴火は激しく、岩石は白っぽくなります。また、マグマが地表付近で急に冷えると斑状組織の火山岩に、地下深くでゆっくり冷えると等粒状組織の深成岩になります。

対応する単元は、中学校学習指導要領 理科 第2分野(2)「大地の成り立ちと変化」の「火山と地震」のうち「火山活動と火成岩」で、中学1年で学習します。学習指導要領では、粘性(ねばりけ)と関係付けながら代表的な火山を扱うこと、火山岩と深成岩の代表的な岩石と、代表的な造岩鉱物を扱うことが示されています。小学校第6学年「土地のつくりと変化」の「土地は、火山の噴火によって変化すること」の発展としても使えます。

授業での使い方

生徒への問いの例:

  1. 溶岩ドームをつくるマグマが、激しい噴火を起こしやすいのはなぜでしょうか(マグマにふくまれる気体のぬけやすさで考えましょう)。
  2. 火山岩には、大きな結晶(斑晶)と、細かい粒やガラス(石基)が混じっています。斑晶と石基は、それぞれどこで、どのように冷えてできたのでしょうか。
  3. 花こう岩が白っぽく、斑れい岩が黒っぽく見えるのはなぜでしょうか(ふくまれる鉱物の種類と割合で考えましょう)。

しくみ・解説

マグマのねばりけと火山の形・噴火・色

マグマのねばりけ弱い中くらい強い
火山の形傾斜がゆるやかな形
(たて状火山)
円すい形
(成層火山)
ドーム状
(溶岩ドーム)
噴火のようすおだやか
(溶岩が流れ出す)
中間
(爆発的な噴火と溶岩の流出をくり返す)
激しい
(爆発的。火砕流が起こることもある)
溶岩・火山灰の色黒っぽい灰色っぽい(中間)白っぽい
火山の例マウナロア、キラウエア(ハワイ)桜島、浅間山、富士山昭和新山、雲仙普賢岳(平成新山)

ねばりけが強いマグマは流れにくいので、溶岩が火口の上にもり上がってドーム状になります。また、マグマにとけている気体(火山ガス。大部分は水蒸気)がぬけにくく、たまった気体が一気にふき出すため、爆発的な激しい噴火になりやすくなります。ねばりけが弱いマグマは気体がぬけやすく、溶岩が遠くまで流れて、傾斜のゆるやかな火山になります。マグマのねばりけは、マグマにふくまれる二酸化ケイ素の割合が多いほど、また温度が低いほど強くなります(発展)。

火山の噴火でふき出されるもの(火山噴出物)には、溶岩、火山弾、軽石、火山灰、火山ガスなどがあります。

火成岩のでき方と組織

マグマが冷えて固まった岩石を火成岩といいます。火成岩は、冷え方によって2つに分けられます。

種類でき方つくり(組織)岩石の例
火山岩地表や地表付近で、急に冷えて固まった斑状組織:大きな結晶(斑晶)のまわりを、細かい粒やガラス(石基)がうめている玄武岩・安山岩・流紋岩
深成岩地下深くで、長い時間をかけてゆっくり冷えて固まった等粒状組織:同じくらいの大きさの結晶が、すき間なく組み合わさっている斑れい岩・閃緑岩・花こう岩

マグマがゆっくり冷えると、結晶が大きく育つ時間があるので、大きな結晶ができます。急に冷えると、結晶が大きく育つ前に固まるので、細かい結晶や、結晶にならなかったガラスの部分ができます。火山岩の斑晶は、マグマが地下にあるうちにゆっくり冷えてできた結晶で、その後マグマが地表付近に上がって急に冷え、まわりが石基になったと考えられています。

火成岩の分類と鉱物

岩石の色黒っぽい中間(灰色っぽい)白っぽい
火山岩(斑状組織)玄武岩安山岩流紋岩
深成岩(等粒状組織)斑れい岩閃緑岩花こう岩
有色鉱物の割合(目安)約50%約30%約10%
多くふくまれる鉱物チョウ石、キ石、カンラン石チョウ石、カクセン石、キ石チョウ石、セキエイ、クロウンモ

火成岩をつくる鉱物(造岩鉱物)は、白色や無色の無色鉱物と、黒っぽい色や緑っぽい色の有色鉱物に分けられます。有色鉱物の割合が多い岩石ほど黒っぽく見えます。

鉱物色形の特徴分類
セキエイ(石英)無色・白色不規則な形。決まった方向に割れない無色鉱物
チョウ石(長石)白色・うすい桃色柱状・短冊状。決まった方向に割れる無色鉱物
クロウンモ(黒雲母)黒色〜褐色板状・六角形。うすくはがれる有色鉱物
カクセン石(角閃石)緑黒色〜黒色長い柱状有色鉱物
キ石(輝石)緑黒色〜褐色短い柱状有色鉱物
カンラン石黄緑色丸みのある粒状有色鉱物

右下のグラフの割合(体積の割合)は、次の値をもとにしたおおよその目安です。玄武岩・斑れい岩:チョウ石50%、キ石36%、カンラン石12%、カクセン石2%。安山岩・閃緑岩:チョウ石60%、カクセン石20%、キ石8%、セキエイ8%、クロウンモ4%。流紋岩・花こう岩:チョウ石60%、セキエイ30%、クロウンモ8%、カクセン石2%。グラフでは、3つの区分のそれぞれ中央をこの値とし、その間を直線でつないでいます(両はしは一定)。

例題

例題1 ある火成岩をルーペで観察すると、同じくらいの大きさの鉱物がすき間なく組み合わさっていました。鉱物はセキエイとチョウ石が多く、黒くてうすくはがれる鉱物が少しふくまれていました。(1)このつくりを何といいますか。(2)岩石の名前は何ですか。
→ 結晶の大きさがそろっているので等粒状組織(深成岩)。白っぽい鉱物が多く、クロウンモをふくむので花こう岩。 答え(1)等粒状組織(2)花こう岩

例題2 黒っぽい溶岩が冷えて固まった岩石を観察すると、斑晶としてカンラン石やキ石が見られました。(1)岩石の名前は何ですか。(2)この溶岩を流した火山は、どのような形をしていると考えられますか。
→ 斑状組織(火山岩)で黒っぽいので玄武岩。黒っぽい溶岩をつくるマグマはねばりけが弱く、傾斜がゆるやかな火山になります。 答え(1)玄武岩(2)傾斜がゆるやかな形(たて状火山)

例題3 安山岩と閃緑岩は、ふくまれる鉱物の種類がよく似ているのに、つくりがちがいます。その理由を説明しなさい。
→ もとのマグマの性質は似ていますが、冷え方がちがうからです。安山岩は地表付近で急に冷えたので斑状組織に、閃緑岩は地下深くでゆっくり冷えたので等粒状組織になりました。

ポイント:シミュレーターで確かめるには、「例の火山」でマウナロアを選び、「冷え方」を切りかえます(下の円をタップしても切りかわります)。統計欄の岩石の名前が、玄武岩(火山岩)と斑れい岩(深成岩)に変わります。「冷やして結晶をつくる」ボタンを押すと、①地下でゆっくり冷えて斑晶が育ち、②地表付近で急に冷えて石基になる順番を見られます。
このシミュレーターで単純化している点
・火山の大きさや高さは、実際の比率ではありません(例:マウナロアの標高は約4,170m、昭和新山は約400m)。噴火のようすも、ねばりけによる傾向を表したイメージです。
・マグマのねばりけ、岩石の色、鉱物の割合は本来つながって変わるもので、3つに分けたのは目安です。鉱物の割合はおおよその例で、同じ名前の岩石でも試料によって大きくちがいます。
・富士山は形が成層火山の代表例ですが、溶岩の多くは玄武岩で、マグマのねばりけは比較的弱い火山です。また、昭和新山や平成新山の溶岩はデイサイトという岩石で、安山岩と流紋岩の中間にあたります(高校で学習)。
・結晶のでき方のアニメは、時間を大きく早送りしています。斑晶や結晶の鉱物は、鉱物の割合に合わせて選んでいます。

参考

引用・転載について

本ページのシミュレーション結果・数値は、出典を明記いただければブログ・ニュース記事・SNS・授業や社内資料への引用を歓迎します。事前連絡は不要です。

推奨クレジット表記:出典:シミュラボ「火山の形と火成岩シミュレーター(マグマのねばりけ・冷え方)」 https://shimulabo.com/sims/kazan-kaseigan/

よくある質問

マグマのねばりけと火山の形には、どんな関係がありますか?
ねばりけが弱いと溶岩が流れやすく、傾斜がゆるやかな火山(たて状火山。例:マウナロア)になります。中くらいだと円すい形の火山(成層火山。例:桜島)、強いと溶岩が盛り上がってドーム状の火山(溶岩ドーム。例:昭和新山)になります。
斑状組織と等粒状組織のちがいは何ですか?
斑状組織は、大きな結晶(斑晶)のまわりを細かい粒やガラス(石基)がうめているつくりで、地表付近で急に冷えた火山岩に見られます。等粒状組織は、同じくらいの大きさの結晶がすき間なく組み合わさったつくりで、地下深くでゆっくり冷えた深成岩に見られます。
火成岩の6種類は、どのように分類しますか?
組織で火山岩(斑状組織)と深成岩(等粒状組織)に分け、色(ふくまれる有色鉱物の割合)で黒っぽい・中間・白っぽいに分けます。火山岩は黒っぽい順に玄武岩・安山岩・流紋岩、深成岩は斑れい岩・閃緑岩・花こう岩です。
岩石が白っぽいか黒っぽいかは、何で決まりますか?
ふくまれる鉱物の種類と割合で決まります。セキエイやチョウ石などの無色鉱物が多いと白っぽく、カンラン石・キ石・カクセン石・クロウンモなどの有色鉱物が多いと黒っぽくなります。有色鉱物の割合は、玄武岩・斑れい岩で約50%、流紋岩・花こう岩で約10%が目安です。
富士山はどのタイプの火山ですか?
形は円すい形の成層火山で、教科書でも成層火山の例としてよく取り上げられます。ただし、富士山の溶岩の多くは黒っぽい玄武岩で、マグマのねばりけは比較的弱い火山です。溶岩と火山灰などが交互に積み重なって、大きな円すい形になりました。
ねばりけが強いマグマは、なぜ激しい噴火になるのですか?
マグマにとけている気体(火山ガス)がぬけにくく、地下でたまった気体が一気にふき出すからです。ねばりけが弱いマグマは気体がぬけやすいので、溶岩がおだやかに流れ出す噴火になりやすくなります。

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