理科の授業向け

地層のでき方と柱状図シミュレーター(鍵層・化石・断層・しゅう曲)

海の深さ(海面の高さ)によって積もる粒が変わり、地層が下から積み重なります。噴火で火山灰の層ができたあと大地を隆起させ、A〜Dの4地点のボーリングで柱状図を並べると、火山灰の層(鍵層)の標高から地層のつながりと傾きを読み取れます。断層・しゅう曲も試せます。

🔬 小6 土地のつくりと変化/中1 地層の重なりと過去の様子
地層の数
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A地点 鍵層の深さ
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B地点 鍵層の深さ
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C地点 鍵層の深さ
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D地点 鍵層の深さ
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地層の傾き(100mで)
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いちばん新しい層
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上の断面図:A〜Dの印を指でドラッグするか、地面をタップすると、ボーリングする場所を変えられます。下の柱状図は西から東の順に並べ、火山灰の層①(鍵層)の上面を赤い点線でつないでいます。「▶ 海にもどして積もらせる」を押すと、海の底で地層が積もるところから見られます(海面は自動で上下します。スライダーや断面図のタップで自分で動かすこともできます)。断面図は高さを横の約2.5倍に強調しています。

このシミュレーションでわかること

川の水に運ばれた土砂は、海の深さ(岸からの距離)に合った粒が積もり、地層は下から上へと順に重なっていきます。火山が噴火すると、火山灰の層が広い範囲にできます。陸になった土地をボーリングして柱状図を並べ、火山灰の層(鍵層)の標高をそろえて比べると、離れた場所の地層のつながりと傾きを読み取れます。

対応する単元は、小学校学習指導要領 理科 第6学年 B(4)「土地のつくりと変化」と、中学校学習指導要領 理科 第2分野(2)「大地の成り立ちと変化」の「地層の重なりと過去の様子」(中学1年)です。中学校の解説では、野外の観察記録と地層が形成されるモデル実験の結果を関連付けて考えることや、離れた地点の地層やボーリングコアを比べ、火山灰層などを手掛かりに地層の広がり方を調べる活動が例に挙げられています。

授業での使い方

児童・生徒への問いの例:

  1. 下から「れき → 砂 → 泥」の順に重なっている地層ができた間に、その場所の海の深さはどう変わったと考えられるでしょうか。
  2. 火山灰の層が、離れた場所の地層を比べる手がかりになるのはなぜでしょうか。
  3. 4地点の柱状図で、火山灰の層の深さがそろわないのはなぜでしょうか(地表の標高と、地層の傾きの2つから考えましょう)。

しくみ・解説

地層のでき方(流れる水の働き)

川の水に運ばれた土砂は、海や湖に流れこむと流れがゆるやかになり、底に積もります(堆積)。粒が大きく重いものほど早くしずむので、岸の近くにはれき、少しはなれた所には砂、沖の深い所には泥(どろ)が積もります。粒は大きさで次のように区別します。

粒大きさ固まってできる岩石(堆積岩)
れき直径2mm以上れき岩
砂直径2mm〜約0.06mm(1/16mm)砂岩
泥直径約0.06mm(1/16mm)以下泥岩
火山灰火山の噴火でふき出された細かい粒凝灰岩

このほか、生物の死がいなどが積もってできた石灰岩やチャートもあります。海面が上がったり土地がしずんだりして、ある場所の海が深くなる(岸から遠くなる)と、積もる粒は小さくなります。浅くなると、その反対です。地層はふつう、下にあるものほど古く、上にあるものほど新しいので、下から上への粒の大きさの変化から、その場所の海の深さの移り変わりが分かります。

火山灰の層と鍵層

火山が噴火すると、火山灰は風に運ばれて広い範囲に、ほぼ同じ時期に降り積もります。そのため、離れた場所の地層に同じ火山灰の層があれば、その層は同じ時期にできたと考えられます。このように、地層を比べる手がかりになる層を鍵層(かぎ層)といいます。火山灰の層のほか、決まった化石をふくむ層も鍵層になります。

砂や泥の層は、同じ時期にできた層でも、岸に近い所では砂、遠い所では泥のように、場所によって粒が変わることがあります。粒の種類だけで層をつなぐとまちがえることがあるので、鍵層を手がかりにします。

柱状図の読み取り方(例題)

柱状図は、ある地点の地層の重なり方を、柱のような図で表したものです。ボーリング調査で地下の土や岩石を取り出し(ボーリングコア)、地表からの深さごとに記録します。離れた地点の柱状図を比べるときは、深さではなく標高をそろえるのがポイントです。

鍵層の上面の標高[m]= 地点の標高[m]− 地表から鍵層の上面までの深さ[m]

例題1 西から東へ一直線に、100mずつはなれて並んだA〜Dの4地点でボーリング調査をしました。各地点の標高と、火山灰の層の上面の深さは次のとおりです。

地点地表の標高火山灰の層の上面の深さ
A60m10m
B(Aの東100m)70m24m
C(Bの東100m)55m13m
D(Cの東100m)65m27m

(1)各地点の火山灰の層の上面の標高を求めなさい。
→ A:60−10=50m、B:70−24=46m、C:55−13=42m、D:65−27=38m 答え A 50m、B 46m、C 42m、D 38m

(2)この地域の地層は、どの方位に向かって低くなるように傾いていますか。また、100mにつき何m低くなっていますか。
→ 東へ100m進むごとに、火山灰の層の上面の標高が4mずつ低くなっています。 答え 東、4m

(3)A地点の東50mにあるE地点(標高66m)では、火山灰の層の上面は地表から何mの深さにあると考えられますか。
→ Aから東へ50mなので、火山灰の層の上面の標高は 50−2=48m。66−48=18。 答え 18m

ポイント:シミュレーターの初期状態(↺ はじめの例)のA〜D地点が、例題1と同じです。柱状図を「標高をそろえる」にすると、火山灰の層①をつなぐ赤い点線が右下がり(東が低い)になります。ボーリングの印を西から100mの位置(AとBの間)に動かすと、例題1(3)の答え(18m)を確かめられます。

例題2 地図の上で、B地点はA地点の真北300m、C地点はA地点の真東300mにあります。標高と火山灰の層の上面の深さは、A(標高80m・深さ20m)、B(標高85m・深さ25m)、C(標高75m・深さ21m)でした。(1)地層はどの方位に低くなるように傾いていますか。(2)A地点の真南200mにあるD地点(標高72m)では、火山灰の層の上面は地表から何mの深さにありますか。
→ 火山灰の層の上面の標高は、A:60m、B:60m、C:54m。南北方向(AとB)は同じ高さなので傾いておらず、東西方向(AとC)は東が6m低くなっています。 答え(1)東
→ DはAの真南で、南北方向には傾いていないので、火山灰の層の上面の標高はAと同じ60m。72−60=12。 答え(2)12m

例題3 ある地点の地層は、下から「れき岩 → 砂岩 → 泥岩」の順に重なっていて、れき岩の層からシジミの化石が見つかりました。(1)この地層ができた間に、この場所の海の深さはどう変わったと考えられますか。(2)れき岩の層ができたころ、この場所はどのような環境だったと考えられますか。
→ 上の層ほど粒が小さいので、海がだんだん深くなった(岸から遠くなった)と考えられます。シジミは河口や湖など、海水と淡水がまじる所にすむので、河口の近くだったと考えられます。 答え(1)だんだん深くなった(2)河口や湖のような、海水と淡水がまじる所

化石からわかること(示相化石・示準化石)

地層の中の化石からは、その地層ができた当時の環境や、地層ができた時代が分かります。当時の環境を示す化石を示相化石、地層ができた時代を示す化石を示準化石といいます。

示相化石の例地層ができた当時の環境
サンゴあたたかくて浅い海
アサリ・ハマグリ浅い海(岸の近く)
シジミ河口や湖(海水と淡水がまじる所)
ホタテガイ冷たい浅い海
ブナ(の葉)やや寒い気候の陸地
地質年代示準化石の例
古生代(約5億4000万年前〜約2億5200万年前)三葉虫、フズリナ
中生代(約2億5200万年前〜約6600万年前)アンモナイト、恐竜
新生代(約6600万年前〜現在)ビカリア、ナウマンゾウ

示準化石には、広い範囲にすんでいて、短い期間だけ栄えて絶滅した生物の化石が適しています。地球の歴史は、地層や化石をもとに、古生代・中生代・新生代などの地質年代に区分されています。

シミュレーターでは、浅い海(河口付近)で積もったれきの層にシジミの化石を、いちばん下の砂の層にビカリアの化石を入れています。柱状図に化石の印が出るので、例題3のように「その層ができたときの環境や時代」を考える材料に使えます(化石の種類と位置は説明のための例です)。

断層・しゅう曲・隆起

地層に大きな力がはたらくと、地層が切れてずれたり(断層)、波打つように曲がったり(しゅう曲)します。断層のうち、両側から引っぱる力がはたらいて、断層面の上側の地層がずり下がったものを正断層、両側からおす力がはたらいて、上側の地層がずり上がったものを逆断層といいます。しゅう曲は、主に両側からおす力でできます。海の底でできた地層が陸で見られるのは、大地が持ち上げられたから(隆起)です。

断層がすべての地層をずらしていれば、その断層は、いちばん上の地層が積もったあとにできたと考えられます。シミュレーターの断層は西にかたむいた断層面で、西側(断層面の上側)の地層が6mずれます。

このシミュレーターで単純化している点
・断面図は、高さを横の約2.5倍に強調しています。海の深さは「浅い・やや深い・深い」の目安で、実際の深さ(m)とは対応していません。
・積もる速さはどの粒も同じとし、時間を大きく早送りしています。実際には、厚い地層ができるには長い年月がかかり、積もる速さも場所や粒によって大きくちがいます。
・1つの層は、その時の海の深さに合った1種類の粒でできていて、断面の左右で変わらないものとしています(実際には、同じ時期の層でも場所によって粒が変わることがあります)。
・隆起のときは、断面全体が同じ傾きで持ち上がるものとしています。地表の形(丘や谷)、ボーリングの深さ(35m)、断層のずれ(6m)、しゅう曲の大きさ(上下7m)は、説明のために決めた値です。
・化石の種類と位置は、説明のための例です。

参考

引用・転載について

本ページのシミュレーション結果・数値は、出典を明記いただければブログ・ニュース記事・SNS・授業や社内資料への引用を歓迎します。事前連絡は不要です。

推奨クレジット表記:出典:シミュラボ「地層のでき方と柱状図シミュレーター(鍵層・化石・断層・しゅう曲)」 https://shimulabo.com/sims/chisou/

よくある質問

柱状図とは何ですか?
ボーリング調査などで調べた、ある地点の地層の重なり方を、地表からの深さにそって柱の形に表した図です。離れた地点の柱状図を並べ、火山灰の層などの鍵層の標高をそろえて比べると、地層のつながりや傾きが分かります。
鍵層とは何ですか?
離れた場所の地層を比べるときの手がかりになる層です。火山灰の層は、噴火のときに広い範囲にほぼ同時に降り積もるので、代表的な鍵層です。決まった化石をふくむ層が鍵層になることもあります。
柱状図から地層の傾きはどう求めますか?
各地点で「地点の標高−鍵層までの深さ」を計算して鍵層の標高を求め、比べます。標高が低い方へ地層が傾いています。たとえばA地点(標高60m・深さ10m)の鍵層は50m、その東100mのB地点(標高70m・深さ24m)は46mなので、東へ100mにつき4m低くなっています。
示相化石と示準化石のちがいは何ですか?
示相化石は地層ができた当時の環境を示す化石(サンゴ→あたたかくて浅い海、シジミ→河口や湖など)、示準化石は地層ができた時代を示す化石(三葉虫→古生代、アンモナイト→中生代、ビカリア→新生代など)です。
地層の粒の大きさから何が分かりますか?
その層が積もったときの海の深さ(岸からの距離)が分かります。粒の大きいれきは岸の近くの浅い所、泥は沖の深い所に積もります。下から上へ「れき→砂→泥」と粒が小さくなっていれば、その場所の海がだんだん深くなったと考えられます。
断層としゅう曲は、どんな力でできますか?
どちらも地層に大きな力がはたらいてできます。両側から引っぱる力では正断層、両側からおす力では逆断層ができます。しゅう曲は、主に両側からおす力で地層が波打つように曲がったものです。

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