理科の授業向け

滑車と仕事の原理シミュレーター(仕事・仕事率)

物体の質量と持ち上げる高さを決め、持ち上げ方(直接・定滑車・動滑車・斜面・てこ など)を切りかえると、必要な力・動かす距離・仕事が表に並びます。かかった時間を決めると、仕事率も計算されます。

🔬 中3 仕事とエネルギー(仕事の原理・仕事率)
必要な力
—
ひもを引く距離
—
仕事
—
仕事率
—

赤い矢印が手で加える力です。右の長方形は、たて=力、横=動かす距離で、面積が仕事を表します(点線は直接持ち上げるとき)。下の表の行をタップすると持ち上げ方が切りかわり、図を指でドラッグすると手で動かせます。滑車・ひも・棒の質量と摩擦は考えていません。100gの物体にはたらく重力を1Nとしています。図は模式図です。

このシミュレーションでわかること

ポイント:定滑車・動滑車・斜面・てこなどの道具を使うと、物体を持ち上げるのに必要な力を小さくできますが、そのぶん力を加えて動かす距離が長くなり、仕事(力×距離)の大きさは道具を使わないときと変わりません。これを仕事の原理といいます。

中学校3年の理科「運動とエネルギー」の(ウ)力学的エネルギー ㋐仕事とエネルギー(学習指導要領 第1分野(5)ア(ウ))で学ぶ内容です。学習指導要領の内容の取扱いでは「仕事の原理にも触れること」とされています。

物体の質量と持ち上げる高さを決め、「直接持ち上げる/定滑車/動滑車/定滑車+動滑車/動滑車2個/斜面/てこ」を切りかえると、必要な力・力を加えて動かす距離・仕事(J)が表に並びます。持ち上げるのにかかった時間を決めると、仕事率(W)も計算されます。

授業での使い方

生徒への問いの例:

  1. 動滑車を使うと、ひもを引く力は半分になります。では、ひもを引く距離はどうなるでしょう。
  2. 定滑車を使っても力の大きさは変わりません。それでも定滑車を使うのはなぜでしょう。
  3. 同じ物体を、Aさんは5秒、Bさんは10秒かけて同じ高さまで持ち上げました。仕事と仕事率をそれぞれ比べましょう。

しくみ・解説

用語の意味

仕事(J)= 力の大きさ(N)× 力の向きに動かした距離(m)
仕事率(W)= 仕事(J)÷ かかった時間(s)
物体を持ち上げる仕事 = 物体にはたらく重力(N)× 持ち上げる高さ(m)
100gの物体にはたらく重力の大きさ = 1N(教科書の約束。正確には約0.98N)

道具ごとの力・距離・仕事(早見表)

1000g(重力10N)の物体を50cm(0.5m)持ち上げるときの値です(滑車・ひも・棒の質量と摩擦は考えません)。

持ち上げ方必要な力力を加えて動かす距離仕事(力×距離)ポイント
直接持ち上げる10 N0.5 m5 J—
定滑車10 N0.5 m5 J力の向きを変えられる(下に引ける)
動滑車5 N1 m5 J2本のひもで支えるので力は半分
定滑車+動滑車5 N1 m5 J力は半分で、下向きに引ける
動滑車2個(+定滑車)2.5 N2 m5 J力は1/4、引く距離は4倍
斜面(長さ100cm)5 N1 m5 J力 = 重力 × 高さ ÷ 斜面の長さ
てこ(支点からのきょり 2:1)5 N1 m5 J力点を支点から遠くする

どの方法でも、仕事は 10N × 0.5m = 5J になります。力が半分なら距離は2倍、力が1/4なら距離は4倍と、力と距離は反比例の関係になっています。斜面では「力 × 斜面の長さ = 重力 × 高さ」、てこでは「支点から力点までのきょり ÷ 支点から作用点までのきょり」の倍だけ力が小さくなり、そのぶん大きく動かす必要があります。

仕事率の早見表

かかった時間仕事仕事率(仕事÷時間)
1秒5 J5 W
2秒5 J2.5 W
5秒5 J1 W
10秒5 J0.5 W
20秒5 J0.25 W

計算問題の解き方

例:質量2kgの物体を、動滑車を使って1.5mの高さまで、6秒かけて引き上げました。100gの物体にはたらく重力の大きさを1Nとします。

  1. 物体にはたらく重力:2kg=2000g なので 20N
  2. 動滑車なので、ひもを引く力は 20 ÷ 2 = 10N、ひもを引く距離は 1.5 × 2 = 3m
  3. 仕事:10N × 3m = 30J(直接持ち上げても 20N × 1.5m = 30J で同じ)
  4. 仕事率:30J ÷ 6秒 = 5W

このシミュレーションで単純にしていること

参考

引用・転載について

本ページのシミュレーション結果・数値は、出典を明記いただければブログ・ニュース記事・SNS・授業や社内資料への引用を歓迎します。事前連絡は不要です。

推奨クレジット表記:出典:シミュラボ「滑車と仕事の原理シミュレーター(仕事・仕事率)」 https://shimulabo.com/sims/kassha-shigoto/

よくある質問

仕事の原理とは何ですか?
道具を使っても使わなくても、物体を同じ状態にするための仕事の大きさは変わらないという原理です。動滑車や斜面・てこを使うと必要な力は小さくなりますが、そのぶん力を加えて動かす距離が長くなるので、力×距離の仕事は同じになります。
動滑車を使うと、なぜ力が半分になるのですか?
動滑車は物体といっしょに動き、物体を左右2本のひもで支えるからです。1本のひもにかかる力は重力の半分になります。そのかわり、物体を1m上げるには左右のひもを1mずつ、合わせて2m引く必要があります。
定滑車を使うと、どんな良いことがありますか?
力の大きさは変わりませんが、力の向きを変えられます。物体を上に持ち上げるのに、ひもを下向きに引けばよいので、自分の体重も使えて作業しやすくなります。
仕事率はどうやって求めますか? 単位は何ですか?
仕事率(W)= 仕事(J)÷ かかった時間(秒)で求め、単位はワット(W)です。1Wは1秒間に1Jの仕事をする仕事率です。同じ仕事でも、短い時間でするほど仕事率は大きくなります。
物体を持ったまま水平に歩くと、仕事をしたことになりますか?
理科でいう仕事は0です。物体を支える力は上向きですが、物体は水平に動いていて、力の向きには動いていないからです。仕事は「力の向きに動いた距離」で計算します。
100gの物体にはたらく重力が1Nなのはなぜですか?
中学校の教科書では、計算しやすいように「100gの物体にはたらく重力の大きさを1N」とする約束で問題を解きます。正確には、100gの物体にはたらく重力は約0.98N(0.1kg×9.8m/s²)です。

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