健康・カラダ

感染はこう広がる SIRシミュレーター

1人の感染者から、街の中でどう広がるのか。人々が動き回って接触し、一定期間で回復する——それだけのルールで、感染の「山」が生まれます。感染しやすさ・接触の多さ・ワクチン・外出制限を変えて、山の高さと時期がどう動くかを見てください。

🧪 エージェントベースSIRモデル(感受性・感染・回復)
経過日数
いま感染中
ピーク(人数/日)
最終的な感染者

灰=未感染、赤=感染中、青=回復(免疫)、緑=ワクチン接種済み。右のグラフ=感染中の人数の推移。

ポイント:感染の広がりを決めるのは基本再生産数 R₀=1人の感染者が平均何人にうつすか。R₀が1を超えると流行し、1未満なら自然に収束します。ワクチンや外出制限は、感染の「山」を低く・遅くします。同じ最終感染者数でも、山を低くすれば医療が持ちこたえられる——これが「カーブをならす」の意味です。

SIRモデルの3つの状態

状態意味遷移
S(Susceptible)まだ感染していない人感染者と接触すると一定確率で I へ
I(Infectious)感染中で、他人にうつす人一定日数で R へ
R(Recovered)回復して免疫を持つ人(ワクチン接種者も含む)再感染しない

1927年にカーマックとマッケンドリックが提案した、感染症数理モデルの原点です。本ページは方程式ではなく、1人1人が街を動き回って接触する「エージェントベース」で同じ現象を再現しています。動き回る速さ・接触時の感染確率・回復日数が、実効的な R₀ を決めます。

集団免疫の閾値

R₀必要な免疫保有率(1 − 1/R₀)
R₀ = 1.5(季節性インフルエンザ級)33%
R₀ = 2.5〜360〜67%
R₀ = 5〜6(新型コロナ変異株級)80〜83%
R₀ = 12〜18(麻疹)92〜95%

免疫を持つ人の割合が 1 − 1/R₀ を超えると、感染者が平均1人未満にしかうつせなくなり、流行は起きません。ワクチン接種率のスライダーを上げていくと、ある割合を境に「山が立たなくなる」ことが確認できます。麻疹のワクチン接種率が95%必要と言われるのはこの計算です。

「動き回り」を減らす効果

外出しない人の割合を増やすと、接触の総数が減り、山は低く・遅くなります。ただし全員が家にいるわけにいかないため、実際には「一定期間だけ接触を減らして山をならし、その間にワクチンを行き渡らせる」戦略が取られました。本ページでも、外出制限とワクチンを組み合わせると、山を立てずに収束させられます。

引用・転載について

本ページのシミュレーション結果・数値は、出典を明記いただければブログ・ニュース記事・SNS・授業や社内資料への引用を歓迎します。事前連絡は不要です。

推奨クレジット表記:出典:シミュラボ「感染はこう広がる SIRシミュレーター」 https://shimulabo.com/sims/kansen-agent/

よくある質問

最終的な感染者数が100%にならないのは?
感染者が減ると接触相手も減るため、免疫のある人が増えた時点で流行は自然に終息します。R₀が2〜3でも、最終的な感染者は人口の8〜9割で止まるのがSIRモデルの結論です。
マスクはどのスライダー?
「接触したときの感染しやすさ」がマスクや換気に相当します。「人の動き回り」が外出頻度や人混みの多さ、「外出しない人」が在宅・隔離です。
現実の予測はこれでできる?
本ページは原理を示す簡略モデルです。実際の予測では、年齢構成・接触パターン・潜伏期間・無症状感染などを加えた大規模モデルが使われますが、SIRの骨格はそのまま生きています。

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