ポイント:友だちが「ご近所」だけの世界では噂はゆっくりしか広がりません。ところが全体の数%が「遠くの知り合い」を持つだけで、全員に届く日数は数分の1に縮みます。これがスモールワールド現象=「六次の隔たり」の正体です。
この画面のネットワーク
人を円周に並べ、隣り合う k 人と友だちにします(ご近所だけの規則的な世界)。次に、各つながりを確率 p で「ランダムな遠くの誰か」につなぎ替えます。この単純な操作で、ネットワークの性質が劇的に変わることを示したのが1998年のワッツとストロガッツの論文です。
| 近道の割合 | 平均の隔たり | 噂の広がり方 |
|---|---|---|
| p = 0(近道なし) | 人数に比例 | 隣から隣へ、リレーのように広がる |
| p = 0.01〜0.1 | 人数の対数に比例 | ごく少数の近道が“ワープ”になり、一気に短くなる |
| p = 1(完全ランダム) | 最短 | ただし現実の人間関係には遠い |
六次の隔たり
1967年、心理学者ミルグラムはアメリカ中西部の住民に「ボストンの株式仲買人へ手紙を、知り合いだけを経由して届けてください」と依頼しました。届いた手紙の平均経由数は約6人。世界の誰とでも6人でつながる「六次の隔たり」です。2011年のFacebookの調査(7億人)では平均4.74人、2016年には3.57人まで縮まっています。ただし本ページでは、あなたと友だちの間の“隔たり”の平均をBFS(幅優先探索)で実際に計算しています。
SNSの拡散・感染症・停電にも同じ構造
「近道」があるネットワークでは、噂も感染症も停電の連鎖も一気に広がります。一方で、ワクチンや情報を「ハブ(つながりの多い人)」に集中的に届けると、少ないコストで拡散を止められる——これもネットワーク科学の重要な結論です。
引用・転載について
本ページのシミュレーション結果・数値は、出典を明記いただければブログ・ニュース記事・SNS・授業や社内資料への引用を歓迎します。事前連絡は不要です。
推奨クレジット表記:
出典:シミュラボ「噂が全員に届くまでシミュレーター」 https://shimulabo.com/sims/uwasa-kakusan/よくある質問
- 「全員に届く日(予測)」はどう計算している?
- リセットのたびに、同じ設定で拡散を裏で20回シミュレーションし、その平均日数を表示しています。実際の1回の結果は運によってばらつきます。
- 話す確率を下げると止まる?
- 確率が低くても、いつかは話すので理論上は全員に届きます。ただし日数は大きく伸びます。感染症でいえば「マスクで感染確率を下げる」ことに相当し、ピークを遅らせる効果があります。
- 現実の人間関係との違いは?
- 現実には「友だちが極端に多い人(ハブ)」がいて、つながりの数に大きな偏りがあります(スケールフリー性)。本シミュレーターは友だち数を均等にした基本モデルです。