ポイント:流行が急に終わるのは、「口コミで増える速さ」と「飽きて減る速さ」の綱引きが、まだ始めていない人が減った瞬間に逆転するからです。増える側の燃料(未経験者)が尽きるのに対し、減る側は利用者の数に比例して続くため、ピークの後は落ちる一方になります。
バス拡散モデルの式
新規利用者(今月) = (p + q × 利用経験者の割合) × まだ始めていない人の数
p:広告・自発的に知る力(イノベーション係数) q:口コミの力(イミテーション係数)
p:広告・自発的に知る力(イノベーション係数) q:口コミの力(イミテーション係数)
1969年にフランク・バスが提案したこのモデルは、家電・自動車・スマホ・SNS など、あらゆる新製品の普及曲線を2つの係数で驚くほどよく再現します。過去の製品では p ≈ 0.03、q ≈ 0.38 前後が典型値とされます。本シミュレーターはこれに「飽きてやめる」項を加えて、流行の“終わり”まで描いています。
| 操作 | 曲線の変化 |
|---|---|
| 広告の力 p を上げる | 立ち上がりが早くなるが、山の高さはあまり変わらない |
| 口コミの力 q を上げる | 山が急に高くなる。しかしその分、未経験者が早く尽きて終わりも早い |
| 飽きる速さ r を上げる | 山が低く細くなる。“一発屋”の形 |
| 市場を大きくする | 山が高く、時期が遅くなる(燃料が多い) |
ピークは「いつ」来るか
飽きを無視した純粋なバスモデルでは、ピークは t* = ln(q/p) ÷ (p+q) で計算できます。p=0.5%・q=0.35なら約12ヶ月。口コミが強いほど、そして広告が弱いほどピークは遅く来ますが、来たときの山は高くなります。マーケティングでは「ピークまでに生産・在庫を間に合わせ、ピーク後に在庫を残さない」ためにこの予測が使われます。
「定番」になれる条件
飽きた人が戻ってこない一発屋型では、流行は必ず一度きりの山で終わります。一方、飽きた人が時間をおいて戻る定番型では、山は小さくても長く続き、一定の利用者数に落ち着きます。タピオカとコーヒーの違いは、まさに「戻る人がいるか」です。
引用・転載について
本ページのシミュレーション結果・数値は、出典を明記いただければブログ・ニュース記事・SNS・授業や社内資料への引用を歓迎します。事前連絡は不要です。
推奨クレジット表記:
出典:シミュラボ「流行はなぜ急に終わる? 普及曲線シミュレーター」 https://shimulabo.com/sims/ryukou-curve/よくある質問
- p と q の現実的な値は?
- 研究の平均値では p≈0.03(月次換算で約0.25〜0.5%)、q≈0.38。SNSで拡散しやすい商品は q が0.5を超えることもあります。本ページの初期値はこれに合わせています。
- 飽きる速さの目安は?
- ゲームアプリの月次解約率は10〜30%、サブスクの定番サービスで2〜5%とされます。r を30%にすると典型的な“1ヶ月で消えるアプリ”の曲線になります。
- このモデルで売上予測はできる?
- 初期数ヶ月の実データから p と q を推定すれば、ピーク時期と最終普及率をある程度予測できます。実務では類似製品の p・q を借りる「アナロジー法」がよく使われます。