銀河が衝突しても、星はぶつからない
意外に思えますが、銀河同士が衝突しても星と星が直接ぶつかることは、ほぼありません。太陽をビー玉の大きさに縮めても、いちばん近い星までは数百km先——それくらい、銀河の中はスカスカだからです。では何が起きるのかというと、重力です。互いの重力が相手の銀河の星々を引きずり、円盤をゆがめ、長く伸びた「潮汐の尾(tidal tail)」を作ります。このシミュレーターで再現しているのは、まさにその重力のダンスです。
このシミュの仕組み
2つの銀河の中心核を質点として相互に重力計算し、各銀河のまわりに円盤状に配置した数千個の星(テスト粒子)が、2つの核から受ける重力だけで運動します(制限多体問題)。運動方程式 a = GM/r² を毎フレーム数値積分しています。
2つの銀河の中心核を質点として相互に重力計算し、各銀河のまわりに円盤状に配置した数千個の星(テスト粒子)が、2つの核から受ける重力だけで運動します(制限多体問題)。運動方程式 a = GM/r² を毎フレーム数値積分しています。
見どころ:3つの瞬間
- すれ違いの直後……相手の重力に引きずられた星が、弧を描いて外へ投げ出され「潮汐の尾」になります。実在の「アンテナ銀河」や「マウス銀河」で観測される尾と同じ仕組みです。
- 2回目の接近……一度すれ違った銀河は、重力で引き戻されてまた近づきます。衝突→離脱→再衝突を繰り返しながら、だんだんひとつに混ざっていきます。
- 連星ダンス……ぶつからない距離で回り合うと、互いの円盤がゆっくり波打ちます。渦巻銀河の腕の乱れは、こうした近接遭遇の名残と考えられることもあります。
天の川銀河も、いつか衝突する
私たちの天の川銀河は、お隣のアンドロメダ銀河と秒速およそ110kmで近づいていて、約40億年後に衝突・合体すると予測されています。合体後の銀河には「ミルコメダ」という愛称もあります。ただし星同士はぶつからないため、そのとき地球の夜空に起きるのは大災害ではなく、空いっぱいに広がるアンドロメダの光——数十億年がかりの、静かな合体です。
よくある質問
- 天の川銀河も衝突するの?
- はい。隣のアンドロメダ銀河と秒速約110kmで近づいており、約40億年後に衝突・合体すると予測されています。
- 銀河が衝突したら星もぶつかる?
- ほとんどぶつかりません。星と星の間は途方もなく空いているため、銀河は互いをすり抜けながら、重力だけで形を崩し合います。
- 「経過時間」の億年は本当?
- 実際の銀河衝突が数億〜数十億年かけて進むことに合わせた目安の換算です。縮尺・時間はデフォルメしています。
- データは送信されますか?
- いいえ。計算はすべてブラウザ内で完結します。
参考
- NASA: The Milky Way–Andromeda collision(約40億年後の衝突予測)
- 潮汐相互作用による銀河の尾(Toomre & Toomre, 1972 の古典的シミュレーション)