ふしぎ・現象

信頼の進化シミュレーター(囚人のジレンマ)

裏切れば得、でも全員が裏切れば全員が損。この「囚人のジレンマ」を何度も繰り返す社会で、どんな生き方が生き残るのか。6つの戦略を世代交代させて、信頼が進化する条件を確かめてください。

🧪 反復囚人のジレンマ × レプリケーター動学(進化ゲーム理論)
世代
いちばん多い戦略
その割合
社会の協力率

面積=各戦略の人口割合の推移。世代ごとに、得点の高い戦略ほど子孫を多く残します(レプリケーター動学)。

ポイント:裏切り者だらけの社会でも、「やられたらやり返す(しっぺ返し)」のように「まず協力し、裏切られたら報復し、相手が戻れば許す」戦略は生き残り、やがて社会全体を協力的にします。ただし付き合いが短いうっかりミスが多いと、報復の連鎖で協力は崩れます。

6つの戦略

戦略ルール特徴
🕊️ 常に協力何があっても協力裏切り者に食い物にされる
😈 常に裏切り何があっても裏切る短期では最強、長期で孤立
🤝 しっぺ返し最初は協力。前回相手がした行動をそのまま返すアクセルロッドの大会で優勝した戦略
🙏 寛容なしっぺ返ししっぺ返しだが、裏切られても3割の確率で許すノイズがある世界で最も強い
💢 根に持つ一度でも裏切られたら永遠に裏切るミスに弱い
🎲 ランダム半々で協力/裏切り誰からも信用されない

得点表(囚人のジレンマ)

組み合わせ得点
両方協力3点ずつ
自分だけ裏切り自分5点・相手0点
両方裏切り1点ずつ

1回きりなら「裏切り」が必ず得です。しかし何度も付き合うと、「裏切ればやり返される」ため、協力し合ったほうが合計点は高くなります。付き合いが長いほど協力の価値が上がる——これを「未来の影」と呼びます。

アクセルロッドの実験(1980年)

政治学者ロバート・アクセルロッドは、世界中の研究者から戦略プログラムを募って総当たり戦を行いました。優勝したのは最も短い4行のプログラム「しっぺ返し」。勝った戦略に共通していたのは、①自分から裏切らない(上品)、②裏切りには即座に報復する、③相手が戻れば許す、④分かりやすい、の4点でした。この結果は『つきあい方の科学』として出版され、ビジネス・外交・生物学に大きな影響を与えました。

引用・転載について

本ページのシミュレーション結果・数値は、出典を明記いただければブログ・ニュース記事・SNS・授業や社内資料への引用を歓迎します。事前連絡は不要です。

推奨クレジット表記:出典:シミュラボ「信頼の進化シミュレーター(囚人のジレンマ)」 https://shimulabo.com/sims/shinrai-shinka/

よくある質問

ノイズを上げると協力が崩れるのはなぜ?
しっぺ返し同士がうっかり1回裏切ると、報復が交互に続く「血の復讐」状態になります。これを断ち切れるのが「寛容なしっぺ返し」で、ノイズのある現実世界では寛容さが合理的だと分かります。
ラウンド数を減らすとどうなる?
付き合いが短いと報復の機会が減り、「常に裏切り」が有利になります。一見さん相手の商売で不正が起きやすく、常連相手では起きにくいのと同じ理屈です。
これは人間以外にも当てはまる?
はい。吸血コウモリの血の分け合い、魚の掃除共生、細菌の協力行動など、多くの生物で「反復囚人のジレンマ」型の協力が観察されています。

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