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銀行の取り付け騒ぎシミュレーター

銀行はあなたの預金の大半を貸し出していて、手元にあるのはごく一部。だから「あの銀行、危ないらしい」と噂が広がって皆が一斉に引き出せば、健全な銀行でも倒れます。不安の伝わりやすさ・準備率・預金保険を変えて、パニックが起きる条件を見てください。

🧪 ダイアモンド=ディビッグ型モデル+不安の伝播(エージェントベース)
経過日数
銀行の残り資金
引き出しに並ぶ人
銀行の状態

点=預金者(灰=安心、黄=不安、赤=引き出し済み)。右のバー=銀行の手元資金。資金が尽きた瞬間、残りの人は引き出せなくなります。

ポイント:取り付け騒ぎの恐ろしさは、「皆が引き出すと思うから引き出す」という予想が自己実現することです。銀行が健全かどうかは関係ありません。この構造を数学的に示したのがダイアモンドとディビッグ(1983年)で、2022年にノーベル経済学賞を受けました。解決策は預金保険=「取り付けに参加しなくても損しない」保証です。

なぜ銀行は全額を手元に置かないのか

銀行の仕事は、いつでも引き出せる預金を集め、それを長期の貸出(住宅ローン・企業融資)に回すことです。貸したお金はすぐには戻らないため、手元に残す現金は預金の数%〜十数%(準備率)。これは無責任ではなく、経済にお金を循環させる銀行の本質的な役割です。ただし「全員が同時に引き出す」ことだけには耐えられません。

2つの均衡:良い世界と悪い世界

均衡預金者の予想結果
良い均衡皆が「他の人は引き出さない」と信じる必要な人だけ引き出し、銀行は問題なく機能
悪い均衡皆が「他の人が引き出す」と信じる全員が窓口に殺到し、健全な銀行が倒産

どちらの世界になるかは、銀行の財務ではなく預金者の予想で決まります。噂・SNS・報道が予想を切り替えるスイッチになるため、「危ないらしい」という一言が実際に銀行を倒せるのです。

2023年、SNS時代の取り付け

2023年3月、米シリコンバレー銀行では、SNSで不安が拡散してからわずか1日で約420億ドル(総預金の約4分の1)が引き出され、翌日に破綻しました。かつては窓口の行列が必要だった取り付けが、スマホの操作で数時間に圧縮された事例です。本シミュレーターの「不安の伝わりやすさ」を上げると、この速さが再現できます。

預金保険という発明

日本では預金保険制度により、1金融機関あたり元本1,000万円とその利息までが保護されます(決済用預金は全額)。「引き出さなくても損しない」ことが保証されれば、悪い均衡に飛び移る理由がなくなります。本ページで預金保険を「あり」にすると、噂が流れても不安が広がりにくくなることが確認できます。

引用・転載について

本ページのシミュレーション結果・数値は、出典を明記いただければブログ・ニュース記事・SNS・授業や社内資料への引用を歓迎します。事前連絡は不要です。

推奨クレジット表記:出典:シミュラボ「銀行の取り付け騒ぎシミュレーター」 https://shimulabo.com/sims/bank-run/

よくある質問

準備率を上げれば安全?
上げるほど取り付けには強くなりますが、その分貸し出せるお金が減り、銀行の本来の機能(お金を回す)が弱まります。準備率100%の銀行は取り付けに耐えますが、それはもはや「金庫」です。
預金保険があれば絶対に起きない?
保護限度額を超える大口預金者(企業など)は依然として引き出す動機があり、シリコンバレー銀行では預金の9割超が限度額超過でした。制度は個人のパニックを止めるのに有効ですが、万能ではありません。
このモデルで日本の銀行を評価できる?
できません。本ページは「噂と予想で取り付けが起きる仕組み」を示す抽象モデルで、実在の銀行の健全性とは無関係です。

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