このシミュレーションでわかること
小学校5年の理科「植物の発芽,成長,結実」(学習指導要領 第5学年 B(1))で学ぶ内容です。学習指導要領の解説(理科編 pp.68〜69)は、発芽の条件と成長の条件は混同しやすいので、変える条件と変えない条件を区別して調べるように書いています。
インゲンマメの種子をまいたカップを2〜4こならべ、水・空気・温度・日光・肥料の条件を「○・×」で変えて、早送りで発芽と成長のようすを見られます。くらべる2つのカップを選ぶと、ちがう条件の札が光って、正しい比べ方(ちがう条件が1つだけ)になっているかが分かります。「子葉をヨウ素液で調べる」で、子葉のでんぷんが発芽のあとに減っていくことも確かめられます。
授業での使い方
- 導入:「種子が発芽するには何が必要か」を予想させます(水・土・日光・肥料・あたたかさ など)。予想した条件を1つずつ確かめるには、どんなカップを用意すればよいかを話し合います。
- 展開:「実験」から①〜⑤を選び、ちがう条件が1つだけになっているかを確かめてから早送りします。④「まちがいやすい比べ方」では、冷蔵庫の中が暗いため、温度と日光の2つがちがってしまうことに気づかせます。実際の実験の結果と見くらべるのにも使えます。
- まとめ:結果を表に整理し、「発芽に必要な条件」と「成長に必要な条件」を分けて書きます。⑥⑦で日光・肥料のちがいによる成長のちがい(葉の色・数・大きさ、くきの太さ)を見て、発芽と成長の条件のちがいを確かめます。
児童への問いの例:
- 「発芽に水が必要か」を調べるとき、2つのカップでそろえる条件と、変える条件は何でしょう。
- 冷蔵庫に入れたカップとくらべるカップに、箱をかぶせるのはなぜでしょう。
- 発芽したあとの子葉にヨウ素液をつけると、発芽する前の種子とくらべて色はどうなるでしょう。それはなぜでしょう。
しくみ・解説
ことばの意味
- 発芽とは、種子から根や芽が出ることです。
- 条件制御(条件をそろえる)とは、調べたい条件だけを変えて、それ以外の条件をすべて同じにしてくらべることです。
- 子葉とは、種子の中にある最初の葉で、インゲンマメでは発芽のための養分(でんぷん)をたくわえています。
- ヨウ素液は、でんぷんにつけると青むらさき色に変わる液です。でんぷんがあるかどうかを調べるのに使います。
発芽と成長に必要な条件(早見表)
| 条件 | 発芽 | 成長 |
|---|---|---|
| 水 | 必要 | 必要 |
| 空気 | 必要 | 必要 |
| 適当な温度 | 必要 | 関係する |
| 日光 | 必要ない | 必要(ないと、ひょろ長く葉が黄色っぽくなる) |
| 肥料 | 必要ない | 関係する(あるほうが、葉が多く大きく育つ) |
条件のそろえ方(このシミュレーションの実験)
| 調べること | 変える条件 | 同じにする条件 | 結果 |
|---|---|---|---|
| ① 水は必要? | 水 | 空気・温度・日光・肥料 | 水なしは発芽しない → 水が必要 |
| ② 空気は必要? | 空気(種子を水にしずめる) | 水・温度・日光・肥料 | 水にしずめると発芽しない → 空気が必要 |
| ③ 温度は関係する? | 温度(冷蔵庫/部屋) | 水・空気・日光(部屋のカップにも箱をかぶせて暗くする)・肥料 | 冷蔵庫の中は発芽しない → 適当な温度が必要 |
| ⑤ 日光は必要? | 日光(箱をかぶせる) | 水・空気・温度・肥料 | どちらも発芽する → 発芽に日光は必要ない |
| ⑥⑦ 成長と日光・肥料 | 日光、または肥料 | そのほかの条件 | 日光・肥料があるほうがよく育つ |
インゲンマメの育ち方(目安)
| 日数(あたたかい部屋) | ようす |
|---|---|
| 0日目 | 水をあたえる(種子をまく) |
| 1日目 | 水を吸って、ふくらむ |
| 3日目ごろ | 根が出る(発芽) |
| 5〜6日目ごろ | くきがのびて、子葉が土の上に出る |
| 8〜10日目ごろ | 最初の本葉(2まい)が開く |
| 2〜3週間 | 葉がふえて大きくなる。子葉はしぼんで落ちる |
日数は、20〜25℃くらいのあたたかい部屋で育てたときの目安です。温度が低いと発芽がおそくなり、冷蔵庫の中(約5℃)ではほとんど発芽しません。このシミュレーションの20日目の高さ(目安)は、日光と肥料あり 約24cm、日光あり・肥料なし 約15cm、日光なし 約32cm(ひょろ長く、葉が黄色っぽい)です。
子葉のでんぷん(ヨウ素液)
発芽する前のインゲンマメの種子を2つに切ってヨウ素液をつけると、子葉が青むらさき色になり、でんぷんがふくまれていることが分かります。発芽して育ったあとのしぼんだ子葉にヨウ素液をつけると、色はほとんど変わりません。子葉のでんぷんが、発芽や成長のための養分として使われたからです。ヨウ素液はうすめて使い、目や口に入らないように気をつけます。
このシミュレーションで単純にしていること
- 発芽までの日数・高さ・葉の数は目安です。実際は種子や温度によってちがいます。
- 土は、肥料(養分)をふくまないバーミキュライトなどを使うものとしています(学習指導要領の解説も、養分をふくまない保水性のある土を使うことを挙げています)。「肥料あり」は肥料をとかした水をあたえることを表します。
- 温度は「あたたかい部屋(約20〜25℃)」と「冷蔵庫(約5℃)」の2つだけです。冷蔵庫に入れると日光は自動的に「なし」になります。
- 水にしずめた種子は、水の中の空気(酸素)が足りないので発芽しないものとしています。
参考
- 文部科学省「小学校学習指導要領(平成29年告示)解説 理科編」第5学年 B(1)植物の発芽,成長,結実(pp.68〜69)(文部科学省 小学校学習指導要領解説のページ)
- 小学校理科(5年)の教科書の「植物の発芽と成長」の単元
引用・転載について
本ページのシミュレーション結果・数値は、出典を明記いただければブログ・ニュース記事・SNS・授業や社内資料への引用を歓迎します。事前連絡は不要です。
出典:シミュラボ「種子の発芽と成長の条件シミュレーター(インゲンマメ・条件をそろえる実験)」 https://shimulabo.com/sims/hatsuga-jouken/よくある質問
- 種子が発芽するのに必要な条件は何ですか?
- 水・空気・適当な温度の3つです。日光や肥料は、発芽には必要ありません。
- 日光や肥料は、植物に必要ないのですか?
- 発芽には必要ありませんが、発芽したあとに植物がよく成長するためには必要です。日光に当てないと、くきがひょろ長くのび、葉が黄色っぽくなります。肥料がないと、葉の数が少なく、小さくなります。
- 発芽の条件を調べるとき、冷蔵庫の中とくらべるカップに箱をかぶせるのはなぜですか?
- 冷蔵庫の中は暗いからです。くらべるカップを明るい所に置くと、温度と日光の2つの条件がちがってしまいます。箱をかぶせて暗くすると、ちがう条件が温度だけになり、正しくくらべられます。
- 条件をそろえるとは、どういうことですか?
- 調べたい条件だけを変えて、それ以外の条件はすべて同じにすることです。たとえば水が必要かを調べるときは、水の有無だけを変え、空気・温度・日光などは同じにします。
- インゲンマメは何を養分にして発芽するのですか?
- 種子の中の子葉にたくわえられたでんぷんを養分にして発芽します。発芽前の子葉はヨウ素液で青むらさき色になりますが、発芽して育ったあとのしぼんだ子葉は、ほとんど色が変わりません。