ふしぎ・現象

コーヒーにミルクを落とすと 流体シミュレーター

コーヒーにミルクを一滴。スプーンでひと混ぜすると、渦を巻きながら混ざっていく。あの動きを、流体の運動方程式をブラウザで解いて再現しました。画面をなぞってかき混ぜ、粘り気を変えて、水・コーヒー・はちみつの違いを見てください。

🧪 ナビエ=ストークス方程式の数値解法(Stable Fluids)
混ざり具合
渦の強さ
経過

画面をドラッグ/スワイプするとかき混ぜられます。粘り気が高いほど渦がすぐ消え、拡散が高いほど境界がぼやけます。

ポイント:流体の動きはナビエ=ストークス方程式という1本の式で記述できます。ただしこの式は解析的には解けず(解の存在自体がミレニアム懸賞問題)、コンピュータで格子に分けて近似します。本ページはその近似計算を、1秒に数十回、ブラウザの中で行っています。

この画面で解いている式

∂u/∂t = −(u·∇)u + ν∇²u + f
移流(流れが流れを運ぶ)+ 粘性(速度がならされる)+ 外力(あなたの指)

本ページは Jos Stam が1999年に発表した「Stable Fluids」法を用いています。①外力を加える、②粘性で速度を拡散させる、③流れに沿って速度と色を運ぶ(移流)、④体積が保存するよう圧力を補正する(射影)——の4段階を毎フレーム繰り返します。この手法は安定性が高く、映画のVFXやゲームの煙・水の表現の基礎になっています。

粘り気で何が変わるか

液体粘性(水との比較)見え方
ほぼ0渦が長く残り、細かい乱れが生まれる
コーヒー水と同程度〜やや高いミルクの筋が渦を巻きながらゆっくり混ざる
はちみつ水の約1万倍渦はすぐ消え、指の跡がそのまま残る(層流)

「渦が生まれるか、すぐ消えるか」を決めるのはレイノルズ数(慣性力÷粘性力)です。同じかき混ぜ方でも、粘性が高いとレイノルズ数が小さく、流れは整然とした層流に。小さいと乱流になり、渦が次々に生まれます。

なぜ混ぜると速く混ざるのか

ミルクを落として放置すると、分子の拡散だけで混ざるため数分〜十数分かかります。かき混ぜると、渦がミルクの塊を細く長く引き伸ばし、コーヒーとの境界面積を何百倍にも増やします。境界が増えた分だけ拡散が一気に進む——「混ぜる」とは、拡散の仕事を減らす操作なのです。

引用・転載について

本ページのシミュレーション結果・数値は、出典を明記いただければブログ・ニュース記事・SNS・授業や社内資料への引用を歓迎します。事前連絡は不要です。

推奨クレジット表記:出典:シミュラボ「コーヒーにミルクを落とすと 流体シミュレーター」 https://shimulabo.com/sims/coffee-milk/

よくある質問

画面がカクつく場合は?
計算量が大きいため、古いスマホでは重くなることがあります。粘り気を上げる(計算が安定する)か、他のタブを閉じてお試しください。
本当のコーヒーと違うところは?
本物は3次元で、温度差による対流やミルクの密度差も働きます。本ページは2次元の非圧縮流体として計算しています。それでも渦の巻き方や引き伸ばされ方は、本物とよく似ます。
「混ざり具合」はどう計算している?
画面全体でミルクの濃度の“ばらつき”(標準偏差)を測り、完全に均一な状態を100%としています。

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