理科の授業向け

光の反射と屈折シミュレーター(入射角・屈折角・全反射)

光源や図を指でドラッグして入射角を変えると、反射角と屈折角が分度器の目盛りと数値で表示されます。空気→水、空気→ガラス、水→空気、ガラス→空気を切りかえると、入射角と屈折角の大小や全反射が確かめられます。「水の中のコイン」「ストロー」「光ファイバー」の場面も選べます。

🔬 中1 光の反射・屈折(全反射)/小3 光の性質
入射角
—
反射角
—
屈折角
—
臨界角
—

赤い線=光の道すじ(矢印は進む向き)。角度は、境界面に垂直な線(法線・点線)からはかります。入射角=赤、反射角=むらさき、屈折角=青。屈折が起こるときも光の一部は反射するので、反射した光をうすく描いています。コイン・ストローの場面では、目を指でドラッグできます(灰色の点線=目に届いた光を逆向きにのばした線)。

このシミュレーションでわかること

ポイント:光が物質の境界面ではね返るとき、入射角と反射角は等しくなります。光が空気から水やガラスへ進むときは入射角>屈折角、水やガラスから空気へ進むときは入射角<屈折角となるように境界面で折れ曲がります。水やガラスから空気へ進む光は、入射角が臨界角(水 約48.8°、ガラス 約41.8°)より大きくなると、境界面ですべて反射します(全反射)。

中学校第1学年の理科「光の反射・屈折」で学ぶ内容です。入射角を指やスライダーで変えると、反射角・屈折角が分度器の目盛りと数値で表示されます。「水の中のコインが浮いて見える」「ストローが曲がって見える」「光ファイバー」の場面も切りかえて見られます。「鏡ではね返す」では、小学校第3学年の「日光は鏡ではね返すことができる」ことも確かめられます。

対応する単元:中学校第1学年 第1分野(1)身近な物理現象(ア)光と音 ㋐光の反射・屈折(全反射も扱い、入射角と屈折角の定性的な関係に触れる)/小学校第3学年 A(3)光と音の性質(日光は直進し、集めたり反射させたりできること)/高等学校「物理」(2)波(ウ)光(屈折の法則)

授業での使い方

導入:身近な現象から問いをつくる

「水の中のコインが浮いて見える」で、水を入れる前と後をくらべます。水がないとカップのふちにかくれて見えなかったコインが、水を入れると見えるようになります。「光はどこで、どのように曲がったのだろう」を問いにして、光の進み方に注目させます。小3では「鏡ではね返す」に切りかえ、はね返した光を的に当てるには鏡をどう向ければよいかを考えさせます。

展開:入射角を変えて表にまとめる

光源装置と半円形ガラス(台形ガラス)の実験の前後に使います。入射角を10°ずつ変えて屈折角を表に記録させると、「空気→ガラスでは屈折角が入射角より小さい」「入射角が大きくなると屈折角も大きくなる」ことが見つかります。次に「ガラス→空気」に切りかえて、光の道すじが逆向きにたどれることと、「入射角を0°から動かす」で全反射が起こるようすを確かめます。

まとめ:作図と身近な道具

コインやストローの場面で、目に届く光を逆向きにのばした線(点線)と、見えている物の位置の関係を作図で確かめます。光ファイバーの場面では、曲げても光が出口まで届くこと、曲げすぎると光がもれることを見せ、全反射が通信に使われていることにつなげます。

生徒への問いの例

  1. 光が空気からガラスへ進むとき、入射角と屈折角はどちらが大きいでしょう。ガラスから空気へ進むときはどうでしょう。
  2. 水の中から空気へ進む光の入射角を大きくしていくと、屈折した光はどうなるでしょう。
  3. 水を入れたカップの底のコインが、実際より浅いところにあるように見えるのはなぜでしょう。光の道すじをかいて説明しましょう。

しくみ・解説

反射・屈折・全反射とは

光の進み方きまり
反射(鏡・水面・ガラスの表面)入射角=反射角
空気 → 水・ガラス入射角>屈折角(法線に近づくように曲がる)
水・ガラス → 空気入射角<屈折角(法線から遠ざかるように曲がる)
入射角が0°(境界面に垂直)曲がらずにまっすぐ進む
水・ガラス → 空気で、入射角が臨界角より大きい全反射(光はすべて反射する)

入射角と屈折角の早見表(空気から水・ガラスへ)

入射角空気→水の屈折角空気→ガラスの屈折角
0°0.0°0.0°
10°7.5°6.6°
20°14.9°13.2°
30°22.1°19.5°
40°28.9°25.4°
45°32.1°28.1°
50°35.2°30.7°
60°40.6°35.3°
70°45.0°38.8°
80°47.8°41.0°

入射角と屈折角の早見表(水・ガラスから空気へ)

入射角水→空気の屈折角ガラス→空気の屈折角
0°0.0°0.0°
10°13.4°15.1°
20°27.1°30.9°
30°41.7°48.6°
40°58.7°74.6°
45°70.1°全反射
50°全反射全反射
60°全反射全反射

臨界角は、水では約48.8°、ガラスでは約41.8°です。入射角がこれより大きいと全反射になります。中学校では、入射角と屈折角のどちらが大きいか(定性的な関係)を理解できれば十分です。

高校の発展:屈折の法則(スネルの法則)

物質の光の曲げやすさは屈折率(真空を1としたときの値。空気はほぼ1.00、水は1.33、ガラスは約1.5)で表されます。屈折率 n1 の物質から n2 の物質へ光が進むとき、入射角 i と屈折角 r の間には次の関係があります。

n1 × sin i = n2 × sin r
例:空気→水、入射角30° → sin r = 1.00×0.5÷1.33 = 0.376 → r ≒ 22.1°
臨界角 θc(屈折率 n の物質→空気):sin θc = 1÷n → 水:1÷1.33=0.752 → 約48.8°/ガラス:1÷1.5=0.667 → 約41.8°

水の中のコインが浮いて見える・ストローが曲がって見えるわけ

コインで反射した光は、水面で法線から遠ざかるように折れ曲がってから目に届きます。私たちの目は、光がまっすぐ進んできたと感じるので、目に届いた光を逆向きにのばした線の先(点線)にコインがあるように見えます。そのため、コインは実際より浅いところに浮き上がって見えます。ストローも、水の中の部分が浮き上がって見えるので、水面のところで折れ曲がっているように見えます。

真上近くから見たとき:見かけの深さ ≒ 実際の深さ ÷ 1.33(約0.75倍)
例:深さ10 cmのコイン → 約7.5 cmの深さにあるように見える(ななめから見るほど、さらに浅く見える)

作図の手順:①コインから水面までの光をかく → ②水面で法線から遠ざかるように折れ曲がって目に届く光をかく → ③目に届いた光を水の中へ逆向きにのばし(点線)、コインの真上を通る線と交わる点が見かけの位置です。このシミュレーションも、この作図のしかたで見かけの位置を描いています。

光ファイバー

光ファイバーは、光を通しやすいガラスなどでできた細い線です。中に入った光は、側面に臨界角より大きい入射角で当たるため、全反射をくり返して、曲がった線の中でも遠くまで届きます。インターネットなどの通信や、体の中を見る内視鏡(胃カメラ)に使われています。曲げすぎると側面への入射角が臨界角より小さくなり、光が外へもれます。

このシミュレーションで単純化していること

参考

引用・転載について

本ページのシミュレーション結果・数値は、出典を明記いただければブログ・ニュース記事・SNS・授業や社内資料への引用を歓迎します。事前連絡は不要です。

推奨クレジット表記:出典:シミュラボ「光の反射と屈折シミュレーター(入射角・屈折角・全反射)」 https://shimulabo.com/sims/hikari-kussetsu/

よくある質問

入射角と屈折角は、どちらが大きくなりますか?
光が空気から水やガラスへ進むときは、入射角のほうが大きく(入射角>屈折角)なります。反対に、水やガラスから空気へ進むときは、屈折角のほうが大きく(入射角<屈折角)なります。入射角が0°(境界面に垂直)のときは、光は曲がらずにまっすぐ進みます。
全反射は、どんなときに起こりますか?
光が水やガラスから空気へ進むときに、入射角が臨界角より大きいと起こります。臨界角は水で約48.8°、ガラスで約41.8°です。空気から水やガラスへ進むときには、全反射は起こりません。
反射角は、いつも入射角と同じですか?
はい。鏡でも水面でもガラスの表面でも、光が反射するときは入射角と反射角が等しくなります。これを反射の法則といいます。角度は、境界面ではなく、境界面に垂直な線(法線)からはかります。
水の中のコインが浮き上がって見えるのはなぜですか?
コインからの光が、水面で法線から遠ざかるように屈折して目に届くからです。目は光がまっすぐ来たと感じるので、光を逆向きにのばした線の先にコインがあるように見え、実際より浅く見えます。真上近くから見ると、深さはおよそ0.75倍(1÷1.33)に見えます。
光ファイバーは、なぜ曲がっていても光を届けられるのですか?
ファイバーの中を進む光が、側面に臨界角より大きい入射角で当たり、全反射をくり返して進むからです。光がほとんど外にもれないので、遠くまで届きます。ただし、曲げすぎると入射角が臨界角より小さくなり、光がもれてしまいます。
屈折率とは何ですか?中学で覚える必要はありますか?
屈折率は、物質が光をどれだけ曲げるかを表す数で、空気はほぼ1.00、水は1.33、ガラスは約1.5です。屈折率と屈折の法則(n₁ sin i = n₂ sin r)は高校の物理で学ぶ内容で、中学校では入射角と屈折角の大小の関係を理解すれば十分です。

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