結論:粒子を1個ずつ撃っても、両方のスリットを開けておくと、当たった点が積み重なって縞模様(干渉縞)になります。まるで1個の粒が「両方のすき間を同時に通った波」のように振る舞う――これが量子力学の最大の謎です。片方を閉じると縞は消えます。
ダブルスリット実験とは
ダブルスリット実験(二重スリット実験)は、2本の細いすき間に向けて光や電子を当て、その先のスクリーンにできる模様を見る実験です。19世紀にトマス・ヤングが光で行い、光が波であることを示しました。20世紀には電子1個ずつでも同じ縞ができることが確かめられ、量子力学を象徴する実験になりました。
なぜ1個ずつなのに縞ができるのか
粒子を1個だけ撃つと、スクリーンには1点だけ記録されます。どこに当たるかはランダムです。ところが何千個も積み重ねると、当たりやすい場所と当たらない場所が縞状に分かれます。これは、1個の粒子が「両方のスリットを通る波」として広がり、自分自身と干渉して、当たる確率に濃淡ができるためと説明されます。
もっと不思議なこと
「どちらのスリットを通ったか」を観測しようとすると、とたんに縞模様は消え、ただの2本の帯になります。見るか見ないかで結果が変わる――これが「観測問題」と呼ばれる謎です。
「どちらのスリットを通ったか」を観測しようとすると、とたんに縞模様は消え、ただの2本の帯になります。見るか見ないかで結果が変わる――これが「観測問題」と呼ばれる謎です。
よくある質問
- 粒子なのに波って、どういうこと?
- 量子の世界では、電子や光は「粒」と「波」の両方の性質を持ちます(波と粒子の二重性)。状況によってどちらの顔を見せるかが変わります。
- 片方を閉じると縞が消えるのはなぜ?
- 干渉は2つの経路の波が重なって初めて起こります。経路が1つになると重ね合わせがなくなり、縞も消えます。
- これは本物の物理ですか?
- 干渉縞の現れ方を確率モデルで再現した可視化です。考え方は実際の二重スリット実験に基づいています。
参考
- Young, T. (1804) 光の干渉実験(ヤングの実験)
- Feynman, R. 『ファインマン物理学』二重スリットの章
- Tonomura, A. ほか (1989) 電子1個ずつの二重スリット実験(日立)