3つのルール
- 分離:近づきすぎたら離れる
- 整列:周りと進む向きを合わせる
- 結合:群れの中心へ寄っていく
1986年にレイノルズが考案。中央の指揮者なしに、局所的なルールだけで群れの動きが生まれます(創発)。映画やゲームの群衆表現にも使われています。
3ルールの中身(数式にすると)
各個体は自分の周り(視野半径 r)にいる仲間だけを見て、次の3つの“力”を足し合わせて進みます。
| ルール | 計算内容 | 効果 |
|---|---|---|
| 分離 | 近すぎる仲間から離れる向き | 近い仲間ほど強く働く(距離に反比例) |
| 整列 | 周りの平均速度ベクトルに自分を寄せる | 群れ全体の向きを揃える |
| 結合 | 周りの重心へ向かう | 群れを1つにまとめる |
3つの力に重みを掛けて足し、速度に上限を付けるだけ。個体は「群れ全体」を知りません。それでも全体には、旋回・分裂・合流といった生き物らしい動きが立ち上がります。これが創発(emergence)です。
現実での使われ方
ボイドは1986年にクレイグ・レイノルズが発表し、1992年の映画『バットマン リターンズ』のコウモリやペンギンの群衆表現に使われたのが有名です。現在はゲームの群衆AI、ドローンの編隊飛行、魚群や渡り鳥の研究モデルにも応用されています。
観察のコツ
群れの数を増やすと、群れが2つに割れてまた合流する様子が見えます。分離が強すぎるとバラバラに、結合が強すぎると団子状に。自然な群れは「その中間」の狭い範囲にしか現れません。
よくある質問
- 本物の鳥もこれ?
- 完全に同じではありませんが、群れの動きをよく再現できることで知られています。
- データは送信されますか?
- いいえ。すべてブラウザ内で動作します。
- 群れが2つに分かれるのはなぜ?
- 向きの違う2つの塊が出会うと、整列ルールが局所的に別々の平均を取るため、しばらく併走してから分かれたり合流したりします。リーダーがいないので、どちらが勝つかは偶然で決まります。
- 本物の鳥はどう決めている?
- ムクドリの群れの研究では、各個体は「距離に関係なく近い順に約7羽」を見ているとされます。ボイドの“視野半径”の考え方は、この観察結果とよく合います。