理科の授業向け

雨水のゆくえと地面のようすシミュレーター(水の流れ方・しみこみ方)

校庭の地面に雨をふらせると、水は高い所から低い所へ流れて集まります。地面の高さを指でなぞって変えて、水たまりのでき方を調べましょう。②では、すな・校庭の土・ねん土っぽい土に同じ量の水を注ぎ、しみこむ速さを比べられます。

🔬 小4 雨水の行方と地面の様子
ふった雨
—
水たまり
—
しみこんだ水
—
みぞへ流れた水
—

①:地面を横から切った図(横20 m・高さは約14倍に強調)。青=水、青い矢印=水の流れる向き、右はしのみぞ=はい水口。指で地面をなぞると高さを変えられます。時間は60倍の早送りです。②:上はカップ(下に小さなあな)とビーカー、左の丸は虫めがねで見たつぶ。グラフをなぞると、その時間のようすが見られます。②の数値は目安です。

このシミュレーションでわかること

地面にふった雨水は、高い所から低い所へと流れて、低い所に集まります。だから、地面のへこんだ所に水たまりができます。また、水のしみこみ方は、土のつぶの大きさによってちがいます。つぶが大きいすなは水がすぐにしみこみ、つぶが小さい土ほど、しみこむのに時間がかかります。①では校庭の地面の高さを指でなぞって変え、雨の流れ方と水たまりのでき方を、②では、すな・校庭の土・ねん土っぽい土に同じ量の水を注いで、しみこむ速さを比べられます。

対応する単元:小学4年 B(3)雨水の行方と地面の様子「(ア)水は,高い場所から低い場所へと流れて集まること」「(イ)水のしみ込み方は,土の粒の大きさによって違いがあること」。学習指導要領解説(理科編 p.56〜57)では、雨水の流れる方向と地面の傾きとの関係を捉えること、虫眼鏡で土の粒の大きさを観察したり、粒の大きさの違う土を用いて水がしみ込むまでの時間を比べたりすることが示され、排水の仕組みや、雨水が川へと流れ込むことに触れて自然災害との関連を図ることも考えられるとされています。

授業での使い方

導入:雨のあとの校庭を思い出す

雨のあとの校庭の写真を見せて、「水たまりができている所と、できていない所があるのはなぜだろう」と問いかけます。①の「地面の形」を「校庭の例」にして雨をふらせ、水がどちらへ流れ、どこに集まるかを予想してから確かめます。

展開:地面のかたむきと水の流れを調べる

地面を指でなぞってへこみをつくると、まわりの水がそこへ流れこんで、水たまりができます。「まっすぐなかたむき」では水たまりができずに全部みぞへ流れること、「まん中が低い」では、まん中に水が集まることを確かめます。校庭では、トレーに入れた水やビー玉で地面のかたむきを調べる活動とつなげられます(雨の日の校庭での観察は、天気の急な変化や雷に気をつけます)。

まとめ:土のつぶの大きさとしみこみ方

②で、すな・校庭の土・ねん土っぽい土に水を同時に注ぎ、下に出てくる水の量をグラフで比べます。虫めがねで見たつぶの大きさと結びつけ、「つぶが大きいほど、水が速くしみこむ」ことをまとめます。最後に①の「地面の土」を「アスファルト」に変えて、しみこまない地面では雨水がみぞから川へ一度に流れることを確かめ、大雨へのそなえにつなげます。

児童への問いの例

  1. 雨水は、地面のどちらの方向へ流れていくだろう?水たまりができるのは、どんな所だろう?
  2. すな場には水たまりができにくいのに、校庭にはできやすいのはなぜだろう?
  3. 町の中で、雨水を流したり、しみこませたりするために、どんなくふうがされているだろう?

しくみ・解説

校庭の地面を横から切った図。雨水が高い所から低い所へ流れて、へこんだ低い所に集まって水たまり(深さ約4 cm)ができ、一部は地面にしみこみ、一部はみぞから川へ流れていく。ふった雨15 mmのうち、しみこんだ水33%・みぞへ流れた水22%・地面に残る水45%を帯グラフで示している。
図1 雨水のゆくえ。水は高い所から低い所へ流れて集まり、地面にしみこんだり、みぞから川へ流れたりする。PNGで保存・SVG
すな・校庭の土・ねん土っぽい土のつぶを虫めがねで見た様子と、水100 mLが全部しみこむまでの時間(すな約10秒・校庭の土約1分40秒・ねん土っぽい土約14分)、カップの下に出た水の量の時間変化のグラフ。つぶが大きいほど水が速くしみこむことをまとめている。
図2 土のつぶの大きさとしみこみ方。つぶが大きいほど、すき間が大きく、水が速くしみこむ。PNGで保存・SVG

図はタップすると大きく表示されます。授業のプリント・スライド・板書計画に自由に使えます(出典「シミュラボ」とページのURLを添えてください)。

言葉の意味(1文で)

土のつぶの大きさとしみこみ方(早見表・数値は目安)

土つぶの大きさしみこむ速さ100 mLが全部しみこむまで最後に下に出る水
すな(すな場のすな)大きい(約0.06〜2 mm)速い約10秒約78 mL
校庭の土中くらい(すなと細かいつぶがまざる)ややおそい約1分40秒約65 mL
ねん土っぽい土とても小さい(0.06 mmより小さいつぶが多い)とてもおそい約14分約55 mL

カップに同じ量の土を入れ、水100 mLを同時に注いだときの目安です。土のつまり方やかわき方、カップの大きさで時間は大きく変わるので、実際の実験では「どれが速いか」の順番に注目しましょう。注いだ水の一部は土の中にたくわえられるので、下に出てくる水は100 mLより少なくなります。

なぜ、つぶが大きいと速くしみこむの?

つぶが大きいと、つぶとつぶの間のすき間も大きくなり、水が通りやすくなります。つぶが小さいと、すき間がとても小さくなり、水が通りにくくなります。すな場にすなが使われているのは、雨のあとでも水たまりができにくく、早く使えるようにするためでもあります。

雨の強さ(1時間にふる雨の量)

1時間の雨の量気象庁のよび方ようす
10〜20 mmやや強い雨ザーザーとふる
20〜30 mm強い雨どしゃぶり
30〜50 mmはげしい雨バケツをひっくり返したようにふる
50〜80 mmひじょうにはげしい雨たきのようにふる
80 mm以上もうれつな雨息苦しくなるような圧迫感がある

雨の量は、ふった雨がどこへも流れずにたまったときの深さ(mm)で表します。「1時間に30 mm」の雨が15分ふると、ふった雨は7.5 mmです。シミュレーターの「ふった雨のゆくえ」では、ふった雨のうち、しみこんだ水・みぞへ流れた水・地面に残っている水の割合がわかります。

雨水と大雨へのそなえ

町の中は、アスファルトやコンクリートの地面が多く、雨水がほとんどしみこみません。しみこまなかった雨水は、道のはしのみぞや下水を通って川へ流れていきます。短い時間に強い雨がふると、みぞや川に水が一度に集まって、あふれたり、低い土地が水につかったりすることがあります。そのため、雨水をためる池(調整池)をつくったり、水がしみこむ道(すき間の多い舗装)を使ったりするくふうがされています。また、校庭には、水はけをよくするためのかたむきやみぞがつくられています。

先生向けの補足:土の水の通しやすさは「透水係数」で表され、砂と粘土では千倍以上の差があります。粒の大きさの区分(砂・シルト・粘土)は分野によって境目の値が少し異なります。このシミュレーターの②は、水がしみ込む速さ(すな 10 mL/秒、校庭の土 1 mL/秒、ねん土っぽい土 0.12 mL/秒)、土が保つ水の量(22・35・45 mL)、下に出るまでの遅れを目安として与えた模式的なモデルで、実測値ではありません。①は、地面の断面(横20 m)を128に分け、となりどうしの水面の高さの差で水が移動し、地面のしみ込む力(mm/時の目安:すな150・校庭の土10・ねん土っぽい土2・アスファルト0)の分だけしみ込むとして計算しています。時間は60倍の早送りです。

このシミュレーションで単純化していること

参考

引用・転載について

本ページのシミュレーション結果・数値は、出典を明記いただければブログ・ニュース記事・SNS・授業や社内資料への引用を歓迎します。事前連絡は不要です。

推奨クレジット表記:出典:シミュラボ「雨水のゆくえと地面のようすシミュレーター(水の流れ方・しみこみ方)」 https://shimulabo.com/sims/amamizu-yukue/

よくある質問

雨水はどのように流れますか?
雨水は、高い所から低い所へと流れて、低い所に集まります。だから、地面のへこんだ所に水たまりができます。水の流れる向きを見ると、地面のかたむきがわかります。
水のしみこみ方は、土によってどうちがいますか?
土のつぶの大きさによってちがいます。つぶが大きいすなは水が速くしみこみ、つぶが小さい土ほど、しみこむのに時間がかかります。
つぶが大きいと、なぜ水が速くしみこむのですか?
つぶが大きいと、つぶとつぶの間のすき間も大きくなり、水が通りやすいからです。つぶが小さいと、すき間が小さくなり、水が通りにくくなります。
すな場に水たまりができにくいのはなぜですか?
すな場のすなは、校庭の土よりつぶが大きく、雨水がすぐに地面の中へしみこむからです。校庭の土はつぶが小さく、ふみかためられているので、しみこみにくく、水たまりができやすくなります。
しみこみ方を比べる実験で、そろえる条件は何ですか?
カップの大きさ、入れる土の量、注ぐ水の量、注ぎ方をそろえます。変えるのは土の種類(つぶの大きさ)だけにして、水が全部しみこむまでの時間や、下に出てきた水の量を比べます。
雨水のゆくえは、大雨の災害とどう関係がありますか?
アスファルトなど水がしみこまない地面では、雨水がみぞや下水から川へ一度に流れこみます。強い雨が短い時間にふると、みぞや川があふれたり、低い土地が水につかったりすることがあります。そのため、雨水をためる池や水がしみこむ道などのくふうがされています。

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