このシミュレーションでわかること
ろうそくや木(植物体)が燃えると、空気中の酸素の一部が使われて、二酸化炭素ができます。ふたをした集気びんの中では、酸素は約21%から約17%に減り、二酸化炭素は約0.04%から約3〜4%に増えたところで火が消えます。酸素がなくなったから消えるのではありません。窒素は燃えることに関係しないので、約78%のまま変わりません。びんの下にすき間があり、上の口も開いていると、空気が下から入って上から出ていくので、物は燃え続けます。
授業での使い方
導入:ふたをすると、なぜ火が消える?
「ふたをする・すき間なし」の集気びんでろうそくを燃やし、しばらくすると火が消えることを見せます(はじめの画面の設定です)。「びんの中の空気は、燃える前と後で何が変わったのか」を問いにして、予想を書かせます。
展開1:空気の通り道を線香のけむりで調べる
「ふた」と「下のすき間」を変えた4つの集気びんで、燃え続けるかどうかを比べます(教科書の実験と同じ組み合わせです)。「💨 線香のけむり」を押し、線香を指で動かしてすき間やびんの口に近づけると、けむりの動きから空気の流れが分かります。下にすき間がある「ふたなし」のびんでは、けむりがすき間から吸いこまれて上の口から出ていきます。ふたをしたびんでは、けむりはほとんど入っていきません。
展開2:気体検知管と石灰水で、燃やす前と後の空気を比べる
ふたをしたびんで火が消えたら、右上の気体検知管の値を、燃やす前の値と比べます。「🧪 石灰水を入れてふる」で、燃やす前の空気ではにごらないこと、燃やした後の空気では白くにごることを確かめます。
まとめ:粒の図で説明する
右の「空気の粒(100こ)」の図で、燃やす前と後の空気を表します。窒素の粒の数は変わらず、酸素の粒が4こほど減り、二酸化炭素の粒が3〜4こ増えたことを、自分の言葉で説明させます。
児童への問いの例
- ろうそくの火が消えたあと、集気びんの中の酸素は全部なくなっているでしょうか。気体検知管の値から考えましょう。
- ふたをしないびんで、下にすき間があるときとないときでは、燃え方がどうちがうでしょう。線香のけむりの動きから理由を説明しましょう。
- 火が消えたびんの中に、もう一度火のついたろうそくを入れると、どうなるでしょう。(答え:すぐに消える。酸素は約17%残っているが、燃え続けるには足りない)
しくみ・解説
用語の意味
- 物が燃えるとは、物が空気中の酸素と結びついて、熱や光を出しながら別の物(二酸化炭素や水など)に変わることです。
- 酸素は、物を燃やす働きがある気体で、空気の体積の約21%をしめています。
- 二酸化炭素は、物を燃やす働きがなく、石灰水を白くにごらせる性質がある気体で、空気中には約0.04%ふくまれています。
- 窒素は、空気の体積の約78%をしめる気体で、物を燃やす働きはなく、燃える前と後で量が変わりません。
- 気体検知管は、気体を吸いこむと色が変わる薬が入った管で、色の変わった部分の境目の目盛りを読むと、酸素や二酸化炭素の割合[%]が分かります。
燃やす前と後の空気(早見表)
| 気体 | 燃やす前 | 燃やした後(火が消えたとき) | 変化 |
|---|---|---|---|
| 窒素 | 約78% | 約78% | 変わらない(燃えることに関係しない) |
| 酸素 | 約21% | 約17% | 減る(燃えるときに使われる)。0%にはならない |
| 二酸化炭素 | 約0.04% | 約3〜4% | 増える(燃えるとできる)。石灰水が白くにごる |
| その他(アルゴン・水蒸気など) | 約1% | 約1〜2% | — |
このシミュレーションでは、ふたをした集気びんでろうそくを燃やすと、約12.6秒で火が消え、そのときの酸素は約17.1%、二酸化炭素は約2.6%です。木(わりばし)では、二酸化炭素は約4.0%になります。
集気びんの条件と燃え方
| 集気びんの条件 | 線香のけむりの動き | ろうそくの燃え方(このシミュレーションの値) |
|---|---|---|
| ふたをする・すき間なし | 入らない | 火が消える(約12.6秒) |
| ふたをする・下にすき間あり | ほとんど入らない | 火が消える(約13.7秒) |
| ふたをしない・すき間なし | 上の口のふちから入り、まん中から出ていく | 燃え続ける(炎は少し小さくなる。酸素 約19.3%) |
| ふたをしない・下にすき間あり | 下のすき間から入り、上の口から出ていく | よく燃え続ける(酸素 約20.4%) |
炎であたためられた空気は軽くなって上へ動くので、上の口から出ていきます。そのとき、まわりの新しい空気が下のすき間(すき間がなければ上の口のふち)から入ってきます。このように空気が入れかわるところでは燃え続け、入れかわらないところでは燃えなくなります。
よくある誤解:火が消えたとき、酸素はなくなっている?
なくなっていません。ふたをした集気びんでろうそくの火が消えたときも、酸素はまだ約17%残っています(空気中の約21%のうち、使われたのは5分の1ほどです)。ろうそくの炎は、まわりの酸素の割合がある程度より小さくなると、燃え続けることができなくなるためです。そのため、火が消えたびんの中に火のついたろうそくを入れ直しても、すぐに消えてしまいます。グラフの赤い線(酸素)が0%まで下がらず、約17%で止まっていることを確かめてください。
「二酸化炭素が増えたから消えた」と考える児童もいますが、二酸化炭素は約3〜4%しかなく、窒素も約78%のまま変わりません。消えた主なわけは、燃え続けるのに必要な割合より酸素が少なくなったことです。二酸化炭素や窒素には物を燃やす働きがないので、「びんの中の気体」を窒素や二酸化炭素にすると、火はすぐに消えます。酸素にすると、空気中より激しく燃えます。
燃やした後の空気(酸素 約17%、二酸化炭素 約3〜4%)は、人がはいた息(酸素 約17%、二酸化炭素 約4%)とよく似ています。体の中でも、酸素が使われて二酸化炭素ができているからです(第6学年「人の体のつくりと働き」)。
二酸化炭素の増え方が、酸素の減り方より少し小さいわけ(発展)
ろうそくのろうは、主に炭素と水素からできています。燃えると、炭素は酸素と結びついて二酸化炭素に、水素は酸素と結びついて水(水蒸気)になります。使われた酸素の一部が水になる分、二酸化炭素の増え方は酸素の減り方より小さくなります(このシミュレーションでは約3分の2)。燃えた後の集気びんの内側が白くくもるのは、できた水蒸気が冷えて水滴になるためです。木の主な成分(セルロース)では、使われる酸素とできる二酸化炭素がほぼ同じ量になります。
・びんの中の気体は、はじめの空気の量を100としたときの割合で表しています。そのため窒素は78%のまま変わらず、ろうそくから出た水蒸気などは「その他」に入れています。
・ろうそくは、酸素が約17%(16.8%)に近づくと炎が小さくなり、消えるものとしています。消えるまでの時間や消えたときの値は、集気びんの大きさ・ろうそくの太さ・びんの温度などで変わり、実際の実験では酸素 約16〜18%、二酸化炭素 約2〜4%になることがあります。
・空気の流れ(線香のけむりの動き)は、教科書の実験で見られる流れ方を簡単なきまりで表したもので、実際の流れを計算したものではありません。
・気体検知管は、酸素用(6〜24%)と、二酸化炭素用(0.03〜1%と0.5〜8%の2種類)を表示しています。実際の酸素用検知管は使ったあと熱くなるので、すぐにさわらないようにします。
参考
- 文部科学省「小学校学習指導要領(平成29年告示)解説 理科編」第6学年 A(1)燃焼の仕組み(小学校学習指導要領解説)
- 小学校理科の教科書(東京書籍「新しい理科」、啓林館「わくわく理科」、大日本図書「たのしい理科」など)6年の「ものの燃え方と空気」の単元
- 国立天文台 編『理科年表』(丸善出版)「大気の組成」(窒素 78.08%、酸素 20.95%、アルゴン 0.93%、二酸化炭素 約0.04%)
引用・転載について
本ページのシミュレーション結果・数値は、出典を明記いただければブログ・ニュース記事・SNS・授業や社内資料への引用を歓迎します。事前連絡は不要です。
出典:シミュラボ「ものの燃え方と空気シミュレーター(集気びん・酸素と二酸化炭素)」 https://shimulabo.com/sims/nenshou/よくある質問
- ろうそくの火が消えたとき、集気びんの中の酸素はなくなっていますか?
- なくなっていません。火が消えたときも、酸素は約17%残っています(燃やす前は約21%)。ろうそくの炎は、酸素の割合がある程度より少なくなると燃え続けられないため、酸素が残っていても火が消えます。
- ふたをしない集気びんで、下にすき間があるとよく燃えるのはなぜですか?
- 炎であたためられた空気が上の口から出ていき、そのかわりに新しい空気(酸素をふくむ空気)が下のすき間から入ってくるからです。線香のけむりを近づけると、けむりがすき間から吸いこまれ、上の口から出ていく様子で確かめられます。
- 石灰水が白くにごるのはなぜですか?
- 石灰水に二酸化炭素がふれると、水に溶けにくい白い物(炭酸カルシウム)ができるからです。燃やす前の空気は二酸化炭素が約0.04%と少ないのでにごりませんが、ろうそくを燃やした後の空気(約3〜4%)では白くにごります。
- 物が燃えたあと、窒素はどうなりますか?
- 変わりません。窒素には物を燃やす働きがなく、燃えることに関係しないので、燃やす前も後も約78%のままです。びんの中を窒素だけにすると、火はすぐに消えます。
- 燃やす前と後の空気の割合は、どのくらい変わりますか?
- 気体検知管で調べると、酸素は約21%から約17%に減り、二酸化炭素は約0.04%から約3〜4%に増えます。窒素は約78%のままです。数値は集気びんの大きさや燃やす物によって少し変わります。
- 酸素の中でろうそくを燃やすとどうなりますか?
- 空気中よりも炎が大きく明るくなり、激しく燃えます。酸素には物を燃やす働きがあるからです。反対に、窒素や二酸化炭素の中では、火はすぐに消えます。