理科の授業向け

月食・日食シミュレーター(起こるしくみと、毎月は起きない理由)

月食は満月のころ、月が地球の影に入る現象。日食は新月のころ、月の影が地球に落ちる現象です。満月・新月の前後の時間と、月の通り道のずれを動かして、食が起こる条件を確かめてください。

🔬 小6 月と太陽(発展)/中3 月や金星の運動と見え方(日食・月食)
この食の種類
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最大の食分
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いまの様子
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続く時間(目安)
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上:横から見た太陽・地球・月と影(大きさの比はほぼ実際どおり、距離と月の通り道の傾きは誇張)。左下:地上から見た様子(東が左)。右下:ずれの大きさと食が起こる範囲、1年分の結果(赤=皆既、オレンジ=部分・輪は金環、灰色=半影、白い輪=起きない)。図を指でドラッグしても動かせます。

このシミュレーションでわかること

月食は、満月のころに太陽・地球・月がこの順に一直線に並び、月が地球の影に入る現象です。日食は、新月のころに太陽・月・地球がこの順に並び、月が太陽をかくす(月の影が地球に落ちる)現象です。

月の通り道は、地球の公転面(太陽と地球を通る面)に対して約5°かたむいています。そのため、ふだんの満月・新月では月が影の上か下を通り、食は毎月は起こりません。このシミュレーターでは、満月・新月のときの月の上下の「ずれ」を動かして、食が起こる条件を確かめられます。

学年単元扱い
中学校3年第2分野(6)地球と宇宙「月や金星の運動と見え方」内容の取扱いに「日食や月食にも触れること」とある
小学校6年B(5) 月と太陽(発展)月の形の見え方と、太陽と月の位置関係を学んだあとの発展として

月の通り道の傾き(約5°)や食の種類のくわしい区別は、学習指導要領の範囲をこえる発展的な内容です。

授業での使い方

導入:「満月は毎月あるのに、月食がめったに起きないのはなぜ?」と問いかけ、予想を出させます。そのあと「一直線にそろえる(ずれ0)」を押し、ずれがなければ満月のたびに月食が起こることを確かめます。

展開:「月の通り道のずれ」を少しずつ大きくして、皆既月食→部分月食→半影月食→起きない、と変わる境目を記録させます。「新月のころ(日食)」に切り替えて同じことをし、「月までの距離」を変えて皆既日食と金環日食のちがいも確かめます。

まとめ:「1年分を試す」で、12か月分の新月・満月のうち何回食が起きたかを数えます。食は年に2回ほどの時期にまとまって起こることに気づかせます。

児童・生徒への問いの例です。

しくみ・解説

月食と日食のちがい

月食日食
並び方太陽-地球-月太陽-月-地球
月の形満月のころ新月のころ
何の影?地球の影に月が入る月の影が地球に落ちる
見られる場所月が見える場所なら、どこでも同じように見える月の影が通る、限られた場所だけ
種類皆既月食・部分月食・半影月食皆既日食・金環日食・部分日食
続く時間欠け始めから終わりまで長いと4時間近く。皆既は長いと1時間40分ほど1か所で部分食が2〜3時間ほど。皆既・金環は数分

「食分」は、月(日食では太陽)の直径のどれだけが欠けたかを表す数です。月食で1以上なら皆既月食です。

なぜ毎月は起きない?(月の通り道の傾き)

月の通り道は、地球の公転面に対して約5.1°かたむいています。満月・新月のときに、月が公転面の近く(通り道が公転面と交わる「交点」の近く)にいるときだけ食が起こります。食が起こる「ずれ」の大きさは次のとおりです(月までの距離が平均のとき)。

起こる食満月・新月のときの上下のずれ
皆既月食約0.44°以内
部分月食(本影に入る月食)約0.96°以内
半影月食(目ではほとんど気づかない)約1.49°以内
日食(地球のどこかで部分日食)約1.47°以内
皆既日食・金環日食(地球のどこかで)約0.95°以内
起きないそれより大きいとき(最大で約5.1°)

月の直径は約0.5°なので、ずれが「月3個分」より大きいと食は起こりません。交点の近くで満月・新月になる時期は約半年ごとにめぐってくるので、食は年に2回ほどの時期にまとまって起こります。国立天文台の暦Wikiでは、満月が交点の両側約17°以内なら半影月食、約11°以内なら部分月食、約6°以内なら皆既月食が起こるとされています。

影の大きさと、太陽・月の見かけの大きさ

月の位置での地球の本影(こい影)は、月の直径の約2.7倍(月までの距離によって約2.6〜2.8倍)の大きさです。月はこの影の中を1時間に月の直径くらいずつ進みます。2026年3月3日の皆既月食では、部分食の始まりが18時50分、皆既が20時04分〜21時03分、部分食の終わりが22時18分でした(国立天文台)。

太陽の直径は月の約400倍ですが、地球からの距離も約390倍遠いので、空では太陽と月がほぼ同じ大きさ(約0.5°)に見えます。月までの距離は約36万〜41万kmの間で変わるので、近いときは月が太陽より大きく見えて皆既日食に、遠いときは小さく見えて金環日食になります。

月までの距離月の見かけの直径中心が重なったときの日食
近いとき(約36万km)約0.56°太陽より大きい → 皆既日食
平均(約38万km)約0.52°太陽よりわずかに小さい → 金環日食
遠いとき(約41万km)約0.49°太陽より小さい → 金環日食
太陽(平均)約0.53°(くらべる基準)

皆既月食の月が赤く見えるわけ

地球には大気があります。太陽の光が大気を通るとき、青い光は散らばって通りにくく、赤い光は通りぬけやすいうえ、大気がレンズのように光を曲げて本影の内側に届けます。このかすかな赤い光が月を照らすので、皆既食中の月は赤銅色(しゃくどういろ)に見えます(国立天文台「月食とは」より要約)。

次に日本で見られる月食・日食(国立天文台による)

日付種類日本での見え方出典
2028年7月7日部分月食日本で見られる(欠けたまま月がしずむ「月入帯食」)国立天文台「月食一覧」
2029年1月1日皆既月食日本全国で見られる(0時7分に欠け始める)国立天文台「皆既月食(2026年3月)」
2030年6月1日金環日食北海道の大部分で金環食、全国で部分食国立天文台「2023年4月20日 日食 解説資料」
2035年9月2日皆既日食日本で皆既日食(中心食)が見られる国立天文台「日食一覧」

2026年10月4日に国立天文台のページで確認しました。日付は食が最大になるときの日本時間です。国立天文台の月食一覧には半影月食は載っていません。地域ごとの時刻や見え方は、国立天文台暦計算室の「月食各地予報」「日食各地予報」で調べられます。

日食を観察するときの注意

太陽を肉眼で直接見てはいけません(数秒でも目を痛めます)。色つきの下じき、サングラス、すすを付けたガラスなども危険です。日食グラスを正しく使う、ピンホール(小さな穴)で太陽の像を映す、望遠鏡の太陽投影板に映す、などの方法で観察してください(国立天文台「観察のしかた」より)。

このシミュレーションで単純化していること

参考

引用・転載について

本ページのシミュレーション結果・数値は、出典を明記いただければブログ・ニュース記事・SNS・授業や社内資料への引用を歓迎します。事前連絡は不要です。

推奨クレジット表記:出典:シミュラボ「月食・日食シミュレーター(起こるしくみと、毎月は起きない理由)」 https://shimulabo.com/sims/gesshoku-nisshoku/

よくある質問

満月のたびに月食が起きないのはなぜですか?
月の通り道が、地球の公転面に対して約5°かたむいているからです。ふだんの満月は、地球の影の上か下を通ります。満月が、通り道と公転面の交わる点(交点)の近くで起こるときだけ、月食になります。
皆既月食で月が赤く見えるのはなぜですか?
地球の大気を通った太陽の光のうち、赤い光が曲げられて地球の影の中に届き、月を照らすからです。大気中のちりの量によって、明るいオレンジ色から黒っぽい色まで変わります。
皆既日食と金環日食は何がちがうのですか?
月までの距離のちがいです。月が近いと太陽より大きく見えて太陽を全部かくし(皆既日食)、遠いと小さく見えて太陽がリングのようにはみ出します(金環日食)。
日食と月食はどちらが多いのですか?
地球全体で数えると、半影月食もふくめればほぼ同じ回数で、どちらも平均すると年に2回あまりです。ただし日食は見られる場所が限られるので、決まった場所で見られる回数は月食のほうが多くなります(国立天文台 暦Wikiより)。
次に日本で見られる月食・日食はいつですか?
国立天文台によると、月食は2028年7月7日の部分月食、日本全国で見られる皆既月食は2029年1月1日です。日食は2030年6月1日の金環日食(北海道の大部分で金環食、全国で部分食)です。
日食はどうやって観察すればよいですか?
太陽を肉眼で直接見たり、下じきやサングラスで見たりしてはいけません。日食グラスを正しく使う、ピンホールで太陽の像を映すなど、安全な方法で観察してください。

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